舞台の前売券が売れて代金を受け取っても、公演前にその全額を売上や利益として扱うことはできません。松竹の2026年2月期有価証券報告書では、演劇興行の収益は主にチケットが劇場に着券した時点で認識すると説明されています。宣伝担当が判断したいのは、販売の進み具合と、これから実施する公演のために残す資金です。購入者の支払い、主催者への精算、公演の実施を分けると、前売りが好調なときにも追加の宣伝費を検討しやすくなります。松竹・2026年2月期有価証券報告書(EDINET、64・93ページ)

この記事で分かること

  • 2025年のライブ市場全体は前年比12.6%増ですが、ステージ市場は表示値から計算すると約1.2%減です。
  • 松竹の契約負債22.98億円には前受金とポイントが含まれ、前売券の枚数は逆算できません。
  • 2015〜2025年の11年分を見ても、市場全体の伸びを個別公演の販売目標へそのまま使うことはできません。
  • 1,000枚・平均8,600円という仮の公演で、実施済み分、払戻し、支払い後の現金を試算できます。

先に自分の公演を当てはめる方は、前売代金と払戻しの試算へ進んでください。映像配信を追加する場合の権利と収入は舞台作品の映像配信・再上映で扱っています。ここでは、劇場で鑑賞する前売券に絞ります。資料は2026年10月23日に確認しました。

公演の収入を別の経路まで調べるなら、舞台映像の配信・再上映で追加の収入と制作費を、制作中の原価と売上・入金で支払いと入金の時期を確認できます。先に資金を計算する方は、入力に使う資料と割合の出し方へ進んでください。

前売券の販売日と売上の計上日はなぜずれるのか

公演前に購入代金を受け取った段階では、観客に鑑賞機会を提供する仕事が残っています。

流れをつかむ 前売りから公演まで、日付を分ける 1 販売・決済 1,000枚の仮定 2 主催者へ入金 860万円の仮定 3 公演の実施 提供した分を確認
入金時期を分ける説明例。売上認識は各社の方針を確認。 精算日は契約次第。入金額は利益ではない。

販売・精算・公演実施を別の日付で追う

前売りの管理では「売れた」という言葉の意味をそろえる必要があります。予約を受け付けた枚数、決済が済んだ枚数、主催者に精算された金額、公演を実施した券の金額は、同じ時点で一致するとは限りません。販売状況の表で入金を確認できても、その入金先が販売窓口なのか主催者なのかが不明なら、撮影会社への支払いに使える金額を判断できないためです。

たとえば、公演の2か月前に観客が決済し、主催者への精算が公演後という契約なら、前売りの販売実績は増えても、公演前の口座残高は同じです。これは時点の違いを示す仮定であり、特定の販売会社の精算条件ではありません。実務では契約書の締日と振込日、精算明細の控除項目を確認してください。公開資料から、すべての舞台に共通する振込周期や手数料率は確認できません。

次の表は、同じ前売券について確認する記録を分けたものです。金額が合わないときは、比較している段階が同じかを先に確かめます。

確認する時点確認する記録宣伝担当が判断できること
購入・決済販売窓口の販売明細どの公演・席種が売れたか
主催者への精算精算明細と口座入金支払日までに現金があるか
公演の実施公演別の実施・着券記録提供した鑑賞機会の範囲
中止・払戻し対象券と返金の記録返す金額と未処理の金額

前売券の販促を評価する表と資金繰り表を、この日付の対応で結びます。会計上の売上は、さらに各社の方針に照らして確認する項目です。

松竹の開示から読める範囲を守る

同社は、演劇興行で購入者が劇場で鑑賞できる環境を提供する義務を負い、主に着券した時点でその義務を満たすとしています。観客が鑑賞した時点で便益を受ける、という説明です。前売りの購入時点だけを見て収益を判断しない理由が、この記載から読み取れます。松竹・2026年2月期有価証券報告書93ページ

ここで「主に」という条件を外し、未使用の券が必ず売上にならない、すべての劇場が同じ方法を採る、と広げることはできません。来場しなかった券、振替公演、複数のサービスを含む券には、契約と会計方針の確認が必要です。本記事の試算は、日程ごとの資金を確認するために使います。実際の仕訳の指定には用いません。

売上計上が公演日に近づくからといって、宣伝用動画の支払いまで公演日以降になるわけではありません。制作契約で決めた支払日と、券の精算で受け取れる日を並べれば、販売が順調でも一時的に不足する現金を見つけられます。費用の計上時期も支払日とは別の確認事項です。制作進行と決算のずれを詳しく読む場合は、制作中の原価と売上・入金を参照してください。

11年の統計を読むと、全体の成長と舞台の販売は一致しない

2025年は音楽を含む市場全体が拡大する一方、ステージの推計チケット販売額と動員数は前年を下回りました。

数値を比較 ステージ市場は2025年に小幅減 2015年 1,714億円 2019年 2,058億円 2024年 2,306億円 2025年 2,279億円
出典:ぴあ総研の過去系列と2026年調査。金額は名目値。 国内ステージの推計販売額。音楽は含まない。

2015〜2025年の推計販売額を同じ区分で比べる

ぴあ総研の調査は、一般に開催情報を告知し、一般にチケットを販売する国内の有料イベントを対象としています。集計は各年の開催日ベースです。市場規模は音楽とステージの推計チケット販売額で、オンラインライブは含みません。「ステージ」には演劇のほか、ミュージカル、歌舞伎・能・狂言、お笑い・寄席・演芸、バレエ・ダンスなどが含まれます。演劇だけの売上や、主催会社の利益と読み替えないことが必要です。ぴあ総研・2026年調査サマリー

下表は公表済みの2015〜2019年系列と、最新サマリーの2020〜2025年系列を接続したものです。単位は億円。過去資料にある2022年以降の将来予測は使用していません。過去系列を掲載した公式資料・最新サマリー

年音楽ステージ合計
20153,4051,7145,119
20163,3721,6435,015
20173,4661,6855,151
20183,8751,9875,862
20194,2372,0586,295
20205895181,106
20211,5471,5253,072
20223,9461,7055,652
20234,7572,0996,857
20245,2992,3067,605
20256,2852,2798,564

合計は公表値をそのまま載せています。丸めのため内訳の和と一致しない年があり、こちらで合計を補正していません。ステージの2025年は2015年比で約33.0%増、2024年比では約1.2%減です。いずれも表の表示値から当社が計算した値で、元データを使う調査元の増減率とは丸めの違いがあり得ます。

この11年には開催条件が大きく変わった時期が含まれます。端の2年を比べた33.0%を、毎年一定に増える成長率として予算へ入れることはできません。さらに、国内全体のステージ推計と、特定の劇場の特定公演は対象が違います。公演予算は、自社で販売できる席数と席種、日程別の購入状況に戻して組みます。

市場が伸びた年にも、公演数と動員は別々に動く

最新サマリーのステージ区分では、2024年から2025年に公演回数が50,504回から53,280回へ増えた一方、動員数は2,743万人から2,650万人へ減っています。表示値で割ると、1公演当たりの推計動員は約543人から約497人です。市場全体の「大型化」という説明を、舞台すべてにそのまま当てはめられないことが分かります。ぴあ総研・2026年調査サマリー

同じ資料の金額と動員数から、ステージの動員1人当たり販売額を計算すると、2024年は約8,407円、2025年は8,600円です。計算は2,306億円÷2,743万人と、2,279億円÷2,650万人。約2.3%の増加になります。ここまでの平均値・増減率は当社が計算した値です。席種構成や公演ジャンルの変化を含むため、個々のチケットが一律に2.3%値上がりしたことを示しません。

この違いは、宣伝予算の前提に効きます。平均販売額が高くなっても、追加の動画を見た人が購入するとはまだ分かりません。自分の公演で残っているのが平日昼の席なのか、週末の高価格席なのかによって、届ける相手と伝える内容は変わります。統計は市場の位置を知る資料に使い、販売計画には日程・席種別の実績を使う、という役割分担ができます。

なお、この調査の動員数はチケットの推計流通数です。全入場者を入口で数えた実測人数、延べ人数を重複除外したファン数、会社の着券記録とは異なります。平均値を使うときは分母の意味も残してください。

契約負債22.98億円から前売券の枚数を逆算できない理由

松竹の契約負債は連結全体の期末残高で、演劇前売券だけを集計した金額としては開示されていません。

前受金とポイントが含まれる決算科目

2026年2月期有価証券報告書94ページの契約負債は、期首17億3,600万円、期末22億9,800万円です。同じ注記は、その中身を独自のポイントプログラムで付与したポイントと、契約条件に基づいて受け取った前受金と説明しています。ここから演劇の前売代金だけを切り出す内訳は確認できません。松竹・2026年2月期有価証券報告書94ページ

したがって、22.98億円を先ほどの平均8,600円で割って「未消化の前売券枚数」を作ることはできません。分子は一社グループの複数取引を含む残高、分母は国内ステージ市場の年間平均で、対象も時点も違います。算術上は割れても、知りたい枚数にはなりません。決算の金額を見つけたあと、その金額の対象を確認する手順が欠かせません。

次の表は、本文で使う数字がそれぞれ何を数えているかを整理したものです。比較できる組み合わせを選ぶための表で、金額の大きさを順位付けする表ではありません。

数字対象・時点そこから分からないこと
22.98億円松竹連結・2026年2月末の契約負債演劇前売券だけの枚数
2,279億円国内ステージ・2025年の推計販売額主催者に残った利益
8,600円同年の販売額÷推計動員数特定公演の適正価格
860万円後述する仮の1,000枚の販売額実在公演の実績・利益

上の3つは公式資料とその計算値、最後は条件を置いた例です。自社の前売代金を分析する際には、決算の集計科目から推定するより、公演別の販売・精算明細を出発点にします。

期末残高の増加を年間の前売収入と呼ばない

期末の契約負債は、その日までに増えた分と取り崩した分の結果です。期間中の受取額がすべて残るわけではありません。松竹の注記も、前受金は入金に伴い増加し、収益認識に伴い取り崩されると説明しています。期首と期末の差だけを「その年に受け取った前売代金」とする読み方は避けます。松竹・2026年2月期有価証券報告書94ページ

仮に、公演前に100万円を受け取り、同じ期間内に公演を終えて全額を取り崩す単純な取引なら、期間末の残高は0円でも、期間中の受取は100万円あります。これは残高と期間中の動きを分ける説明例であり、同社の取引実績ではありません。公演が決算日をまたぐかどうかでも残る金額は変わるため、残高の増減だけから人気の強弱を決めることもできません。

今回の有報では、表示上の期末2,298百万円と期首1,736百万円の差は562百万円ですが、本文の増加額は561百万円と記載されています。元の端数を確認できないため、当社は差額を独自に確定し直していません。記事では各残高を開示どおり扱い、増加額を前売券の売上に読み替えない方針です。細かな表示差も、元資料の単位と集計の限界を確認するきっかけになります。

払戻し条件は、前売代金を使う前に確認する

購入者都合の取消と、主催側が中止等を受けて行う払戻しは、同じ条件として扱えません。

基本約款と公演ごとの案内を合わせる

松竹の基本約款第4条第2項は、興行等の中止等により同社グループが払戻しまたは振替を行うと決定した場合を例外として、チケット料金の払戻し・振替を行わないとしています。この条件を「どんな場合も返金なし」と短くすると、例外が抜けます。逆に、中止の可能性があるだけで全件が自動的に返金されると読むのも原文を超えます。松竹グループチケット販売及び観劇・鑑賞基本約款・第4条

この約款は同社グループに関するものです。他社の公演にそのまま適用することはできません。担当する公演では、購入先、購入方法、対象公演、返金の申請方法と期限、手数料の扱いを、その公演の公式案内で確認します。基本約款だけでは返金事務のすべての条件は分からないため、案内が未確定の項目は空欄のまま担当者へ確認する方が正確です。

告知動画の制作を進める場合も、公演日の変更に誰が対応するか、販売ページへの案内をいつ止めるかを決めておくと、古い日程の動画が配信され続ける問題を防げます。これは制作上の提案です。動画の差し替え条件や追加料金は制作契約によるため、他社の払戻し約款から導くことはできません。

返金額と、止められない支払いを同じ日程表に置く

払戻しの検討では、未実施公演に対応する券の金額と、その時点までに支払った制作費を別に集計します。仮に返金額が同じでも、まだ支払っていない外注費を止められる案件と、すでに納品・支払済みの案件では、残る現金が違います。外注先への支払いが取消可能かどうかは個々の契約事項であり、チケットを払い戻した事実だけでは決まりません。

ここで、未実施分をすべて返金するケースも一度計算しておくと、必要な資金を把握できます。「何割を取り置けば安全か」という共通の正解を公開資料から示すことはできません。販売実績、支払予定、返金条件を使って複数の条件を試し、どの時点で現金が不足するかを確認します。次の試算の払戻し割合も、発生確率の予測や業界の標準値ではありません。

主催者にまだ精算されていない代金を、すでに持っている現金として数えないことにも注意が必要です。販売窓口側が返金する場合と、主催者が資金を戻す必要がある場合では、確認先と支払日が変わります。実際の負担を決める際は販売委託契約まで確認し、誰が返金を実施するのかを記録してください。

前売代金と払戻しを、自分の公演で試算する

同じ860万円の前売代金でも、公演の実施割合と払戻し、支払済み費用によって残る現金は変わります。

平均8,600円を使った仮の公演

試算の価格には、2025年ステージ市場の2,279億円を動員2,650万人で割った8,600円を参考値として使います。出典のある金額と動員数の比から当社が計算した値です。前述のとおり市場全体の平均であり、この価格で売ることを勧める値ではありません。自社の試算では、対象公演の実際の平均購入額に入れ替えてください。ぴあ総研・2026年調査サマリー

仮に1,000枚が決済済みで、券面相当額860万円がすべて主催者に入金済みとします。金額ベースで60%の公演を実施し、未実施40%のうち25%を払い戻すと、全販売額の10%に当たる86万円を返す計算です。すでに500万円を支払っていれば、残る現金は860−86−500=274万円。実施済み分の販売額は516万円、払戻し後に残る未実施分の販売額は258万円です。すべて当社が計算した仮の値です。

シナリオを比較 860万円から返金と支払いを引く 当初の入金 860万円 払戻し 86万円 支払済み費用 500万円 残る現金 274万円
当社が計算した仮の値。残る現金274万円は利益ではない。 実施60%、未実施分の25%を返す仮定。

この274万円を利益とは呼べません。ここでは支払済み費用しか引いておらず、残る公演を実施する支払い、未払費用、税金などを見積もっていないためです。また、516万円は実施済みの券に対応する販売額で、会計上の税抜売上を自動的に計算した値ではありません。金額と割合は同じ税込・税抜条件にそろえ、この道具は現金の動きを考える単純化した例として使います。

入力前に、同じ公演・同じ集計日の資料をそろえる

販売明細、主催者への入金記録、公演の実施記録、払戻しの対象一覧、支払済み費用の明細を用意します。以下は試算の入力を助ける編集部の案内です。2026年10月28日、販売済みと入金済み、枚数と金額の取り違えを防ぐために追記しました。

入力欄資料と入力する値
1枚当たりの平均購入額対象券の販売額合計÷枚数。販売明細の同じ公演・席種の範囲で求める
購入・入金済みの枚数対象券の枚数と主催者への入金を照合する。全額が入金済みの仮定に合う範囲で使う
実施済みの割合実施した公演に対応する券の販売額÷対象券の販売額合計×100。公演回数の割合ではない
未実施分の払戻し割合払い戻す券の販売額÷未実施分の販売額×100。全販売額に対する割合ではない
すでに支払った費用同じ公演の支払明細。請求が届いていても未払いの費用は、後で確認する支払予定に分ける

販売窓口からの精算がまだ、または手数料控除後の入金だけがある場合は、この試算の「券の販売額が全額入金済み」という仮定と一致しません。枚数を減らして帳尻を合わせず、実際の入金額と返金・支払いを別の資金繰り表で照合します。分からない費用を0円で埋めることも避けてください。

実施済みが100%なら未実施分はないため、払戻し割合は0%として使います。未実施分の販売額が0円のときに割合を割り算で求める必要はありません。入力できる範囲や刻みと実際の金額が合わなければ、本文の式に明細の数値を直接入れて計算します。

当初の入金額は円

払戻し額は円

払戻し後の未実施分販売額は円

支払済み費用と返金を引いた現金は円

初期価格8,600円は2025年のステージ推計販売額÷推計動員数。他の初期値は仮定です。全額入金済み、実施・払戻しの割合は金額基準、払戻し対象は未実施分とします。販売手数料や税金、未払費用は別途確認が必要です。残る現金は利益・追加発注可能額ではありません。計算が負なら、この条件では初期入金だけで支払いを賄えません。

条件を変えたとき、どの数字が変わるか

下表は価格8,600円・1,000枚・支払済み500万円を固定して比較したものです。払戻し割合の分母は「未実施分」であり、全販売額に対する割合と混同しないでください。実施済み割合は金額基準で入れるため、席種ごとの値段が違っても、対応する販売額を集計してから利用できます。

条件実施済み割合払戻し額支払い後の現金
未実施分の返金なし60%0万円360万円
未実施分の25%を返金60%86万円274万円
未実施分を全額返金60%344万円16万円
実施前に全額返金0%860万円−500万円

いずれも仮定に基づき当社が計算した値です。返金額が0円の行でも、残る40%の公演を実施する費用は別に必要です。−500万円は、この入出金では500万円の資金が足りない状態を示します。新たに500万円の損失が確定したという意味ではありません。費用の回収、保険、他の収入、支払条件の変更は式に含めていません。

追加の宣伝費を決めるときは、この現金の残額から将来の支払予定を確認する工程が必要です。同時に、その宣伝でどの公演の残席を売るのかも決めます。すでに売り切れた日の映像だけを広く配信しても、販売余地のある日程へ誘導できるとは限りません。公演別の販売ページへ進める案内と、動画を公開する期間を合わせることが、試算を実際の発注判断につなげます。

前売りの数字を、宣伝動画の発注条件へ落とし込む

動画の制作範囲を決める前に、売りたい公演日と支払可能な日、変更が起きた場合の対応範囲をそろえます。

販売期間に間に合う素材と確認日を決める

宣伝担当が制作会社へ渡す情報は、作品の魅力に加えて、今回の映像が案内する公演日、販売期間、対象席種、購入先です。公演全体を紹介する映像と、残席のある日を案内する短い映像では、必要な素材も確認する文言も変わります。先に購入先を決めておけば、動画を見たあとにどのページへ進んでほしいかも、制作時点で共有できます。

稽古映像や舞台映像を使用する場合は、利用できる素材と許諾範囲を確認します。出演者、音楽、舞台美術などの映り込みについて、誰が確認するかを決め、確認の締切を販売開始日から逆算してください。ここでは個別契約上の利用可否を判定していません。公開範囲が未確定なら、その素材を使う前提の動画本数を確約せず、確認できた素材で何が作れるかを制作会社と整理します。

ナイトてんしょんは、ショートドラマを企画・制作し、出演者をキャスティングする立場の会社です。当社に告知映像を相談する際も、制作現場で必要になる撮影素材、出演の手配、公開前の確認日を先に共有すると、発注範囲を具体化できます。制作の考え方はショートドラマ制作サービス、表現の参考は制作実績で確認できます。

販売増と公開時期の変化を分けて振り返る

宣伝を始めた後に前売りが増えても、映像だけの効果と即断はできません。公演日が近づいたこと、出演情報の解禁、別の広告、販売枠の追加など、同じ期間に起きた変化を記録します。比較するときは同じ日程・席種の販売明細を使い、決済前の申込みを決済済みの券と混ぜないようにします。

実施後には、販売した金額、返金した金額、手数料等を控除して受け取った金額、映像制作と配信に支払った金額を照合します。売上への寄与と、支払日に資金が足りたかは別の振り返りです。これらが混ざったまま「前売りが好調だった」と記録すると、次の公演で宣伝費をどこまで増やせるか判断できません。

エンタメの経済学では、作品から生まれる収入と費用を資料に沿って読み解いています。今回の試算で支払日と販売期間を整理したうえで、短い告知映像の制作を検討する場合は、制作相談へ公演日・販売開始日・必要な本数・使用できる素材をお知らせください。個々の会計処理は自社の方針と契約を確認し、動画の発注条件はその確認結果に合わせて決めます。

よくある質問

前売券について迷ったときは、販売・入金・公演実施のどの段階を指しているのかを確認すると、必要な明細を選びやすくなります。

Q. 前売券が完売したら、その日に全額が売上になりますか?

松竹の開示では、演劇興行の収益は主に劇場への着券時点で認識されます。完売は販売状況を示す言葉であり、公演を提供したことと同じではありません。自社の処理は契約内容と会計方針に照らして確認してください。販売窓口から主催者への入金日も別に確認が必要です。松竹・2026年2月期有報64・93ページ

Q. 市場平均8,600円を自社のチケット価格に使えますか?

本文の8,600円は、2025年ステージの推計販売額を推計動員数で割った当社の計算値です。さまざまなジャンル・席種が混ざる平均で、推奨価格ではありません。試算では自社の販売明細から求めた平均購入額に置き換えます。価格帯が違う公演をまとめる場合は、販売額と枚数をそれぞれ合算してから割ります。

Q. 払戻し用に前売代金の何割を残せばよいですか?

すべての公演に共通する割合は、今回確認した公開資料では示されていません。対象公演の公式案内と販売契約を確認し、返金額、返金日、取り消せない支払いを並べて試算します。本文の25%は未実施分に対する仮の割合で、返金の発生確率や標準の積立率ではありません。

次に、追加収入と制作費の支払日を確認する

返金後の現金を確認したら、舞台映像の配信・再上映で劇場以外の収入に必要な権利と追加費用を整理できます。先に制作費を支払う計画なら、制作中の原価と売上・入金で、費用計上と現金支出を分けて確認してください。

告知動画を発注する場合は、残席のある公演日、販売ページ、動画の公開日、制作費を支払える日をそろえ、制作サービスと照合します。制作相談では、その条件と使える映像素材を共有すると、追加する本数と制作範囲を具体的に相談できます。