ナイトてんしょん
ショートエンタメ情報局
「ドラマ制作を外注したいが、相場がわからない」ーーそんな声をよく聞く。
ドラマ制作の依頼料金は、最も小さなショートドラマ1本で30万円前後、企業PR用のフルパッケージになると500万円から1,000万円超まで広がる。価格を決めるのは、尺・出演者・撮影日数・納品形式の4要素であり、ここを正しく設計しないと「想定の倍払う」「納品物が二次利用できない」といった失敗が起きやすい。
本記事では、価格帯別の見積もり実例を3パターン(50万円帯/200万円帯/500万円帯)で内訳まで開示しつつ、依頼先別の特徴・コスト削減のコツ・失敗しない発注書の書き方まで、ドラマ制作の発注担当者が知っておくべき内容を一気通貫で解説する。
矢野経済研究所の調査によると、国内の動画制作サービス市場は2024年度に4,238億円(事業者売上高ベース、前年度比106.2%)に達し、2026年度には4,970億円、2027年度には5,400億円まで拡大すると予測されている。動画コンテンツビジネス全体(配信・広告含む)でも、2025年度の市場規模は6,300億円規模と推計されており、市場の伸長は明確だ。
参考: 矢野経済研究所「動画コンテンツビジネスに関する調査(2025年)」
この拡大の主な牽引役が、TikTok・Instagram・YouTube Shortsを中心とした縦型のショートドラマ制作需要である。テレビCMから縦型ショートドラマ広告へ予算をシフトさせる企業が増えており、結果として「ドラマ制作」というカテゴリ全体の発注単価が幅広く分散している。
動画制作の発注実績データ(2026年最新)では、平均発注金額は81.5万円、中央値は54.0万円となっている。価格帯別の構成比は、50〜100万円が28%で最多、10〜100万円のレンジに約8割が収まる。出典: 動画幹事「動画制作の相場・料金を徹底解説」https://douga-kanji.com/posts/price
この実績は「動画」全体の数値だが、ドラマ制作はストーリー設計・演者起用・複数カット撮影が必須となるため、平均より高めにシフトする傾向がある。
ショートドラマを軸に、ドラマ制作の価格帯と内容・期待できるアウトプットを整理する。
価格帯 | 主な内容 | 想定アウトプット | 主な依頼先 |
|---|---|---|---|
10万〜30万円 | 簡易シナリオ+少人数撮影+簡素編集 | 30〜60秒のSNS用1本 | フリーランス/個人クリエイター |
30万〜80万円 | 企画+脚本+撮影1日+編集 | 60秒前後のSNS用1〜2本 | 中小制作会社/フリーランスチーム |
80万〜200万円 | 企画+脚本+撮影2日+シリーズ展開 | 60〜90秒のシリーズ3〜5本 | ショートドラマ専門会社 |
200万〜500万円 | キャスト配置強化+ロケ複数+WebCM対応 | 縦型+横型マルチ尺セット | 制作会社(中堅以上) |
500万〜1,000万円超 | タレント起用+大型ロケ+本格演出 | フル尺WebCM/PRシリーズ | 大手制作会社/広告代理店経由 |
出典: nowhere film「ショートドラマ制作費の相場」https://nowhere-film.jp/blog/shortdrama-cost/ / DRAMA CRAFT「ショートドラマ制作の費用」https://drama-craft.com/column/short-drama-cost/
ドラマ制作と一括りにしても、フリーランスに編集だけ依頼すれば1話7万円程度から可能であり、有名タレント起用+本格ロケで制作すれば1本あたり1,000万円を超えるケースもある。発注前にどの価格帯で動くかを決めることが第一歩となる。
ここからが本記事の中核である。発注検討時に最も知りたい「実際の見積もりはどうなるのか」を、3つの価格帯で内訳まで具体化する。
想定ケース: TikTok/Instagram用60秒の縦型ショートドラマを1本だけ制作。試験運用としての発注。
費目 | 金額目安 | 内容 |
|---|---|---|
企画・構成 | 50,000円 | テーマヒアリング・構成案作成 |
脚本 | 60,000円 | 60秒1本分のセリフ・ト書き |
出演者(2名) | 100,000円 | 無名俳優・モデル相当 |
撮影(半日・1ロケ) | 80,000円 | カメラマン1名+音声 |
機材レンタル | 30,000円 | カメラ・照明・音声機材 |
編集・MA | 100,000円 | カット編集・テロップ・音声整音 |
進行管理・ディレクション | 60,000円 | プロデューサー稼働 |
諸経費(交通費・小道具等) | 20,000円 | 実費精算分 |
合計 | 500,000円 | 税別 |
このレンジでは「シンプルな1ロケ・少人数キャスト・尺は60秒前後」が前提となる。複数ロケや有名キャストを足すと、即座に次の価格帯へ移る。
想定ケース: SNSアカウント立ち上げに伴い、世界観を統一したシリーズドラマを3本まとめて制作。
費目 | 金額目安 | 内容 |
|---|---|---|
企画・シリーズ構成 | 200,000円 | 3本通しの世界観・キャラ設計 |
脚本(3本分) | 240,000円 | 各60〜90秒×3本 |
出演者(3〜4名×3本) | 450,000円 | 演技経験ありの俳優起用 |
撮影(2日・2ロケ) | 350,000円 | カメラマン+助手+音声+照明 |
機材レンタル | 120,000円 | シネマカメラ+ジンバル+ライティング |
美術・小道具 | 80,000円 | 世界観統一のための小物 |
衣装・スタイリング | 90,000円 | キャスト分 |
編集・カラーグレーディング | 270,000円 | 3本分・テロップ・カラコレ |
BGM・効果音 | 50,000円 | ライセンス購入+整音 |
進行管理・ディレクション | 150,000円 | プロデューサー+アシスタント |
合計 | 2,000,000円 | 税別・3本パッケージ |
参考事例として「3話構成で約100万円〜」「1〜2分の短編2本で約150万円」というプランも一般的に存在する。出典: nowhere film 同記事
3本まとめて制作すると、1本あたりの単価が大きく下がる。シリーズ前提で発注するのは、コスト削減と世界観統一の両面で合理的だ。
想定ケース: 企業のブランド広告として、SNSショート+公式サイト掲載用の長尺横型まで一気に制作。
費目 | 金額目安 | 内容 |
|---|---|---|
企画・絵コンテ | 400,000円 | クライアント協議3回+絵コンテ |
脚本 | 300,000円 | フル尺+短尺カット用 |
出演者(メイン+サブ計5名) | 1,200,000円 | モデル・タレント起用 |
撮影(3日・3ロケ) | 800,000円 | フルチーム編成 |
機材レンタル | 350,000円 | シネマカメラ複数台 |
美術・セット | 250,000円 | 一部セット制作 |
衣装・ヘアメイク | 300,000円 | ヘアメイク常駐 |
編集・カラーグレーディング | 600,000円 | 縦型・横型・尺バリエーション |
BGM(オリジナル制作) | 200,000円 | 楽曲発注+整音 |
MA・効果音 | 150,000円 | プロMA |
進行管理 | 350,000円 | チーフプロデューサー+PM |
諸経費 | 100,000円 | 交通・宿泊・小道具実費 |
合計 | 5,000,000円 | 税別 |
500万円帯になると、企業ブランド広告として独立したクオリティを持ち、テレビCMとほぼ同じ制作体制が組まれる。タレントを起用する場合、出演料が別途発生するケースも多く、起用するキャストランクによっては合計1,000万円超のレンジに進む。
パターン | 合計金額 | 本数 | 1本あたり単価 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
パターンA(50万) | 500,000円 | 1本 | 500,000円 | SNS試験運用 |
パターンB(200万) | 2,000,000円 | 3本 | 約670,000円 | アカウント立ち上げ |
パターンC(500万) | 5,000,000円 | 1セット(縦+横) | ーー | ブランド広告/WebCM |
ドラマ制作費は、以下の7要因の組み合わせで決まる。発注前にこの7要因を整理しておくと、見積もり比較がブレない。
企画から脚本まで一括依頼する場合、ショートドラマで5万〜15万円、長尺になるほど高額になる。複雑な世界観や複数話のシリーズ構成では別途構成料が乗る。
最も価格を動かす要因。動画広告における出演料の相場は、モデル5万〜50万円、実力派モデル30万〜200万円、有名モデル100万〜500万円、インフルエンサー3万〜30万円、有名インフルエンサー100万〜500万円、女優・タレント500万〜1,500万円以上が目安となる。出典: ユウメイキャスティング「動画広告の制作費用とキャストのギャラ相場」https://youmaycasting.com/blog/12450/
テレビCM相場ではトップ俳優・大物芸人クラスで1,500万円以上、トップタレントで500万〜1,200万円という水準もある。出典: ユウメイキャスティング https://youmaycasting.com/blog/10750/
スタジオを借りる場合、4時間で3万〜10万円、終日で10万〜30万円程度が一般的。屋外撮影では撮影許可申請料・交通費・移動時間が積み上がる。複数ロケーションでの撮影は移動コストが発生するため、できる限り「1日1ロケ」で組むほうが安い。
撮影日数は最大の費用変動要因の1つ。1日撮影と2日撮影では、人件費・機材費が単純に2倍近くになる。さらに3日以上になると、宿泊費・延泊機材費が乗る。
スマホ撮影なら機材費0円、ミラーレス+簡易ライティングで5万〜15万円/日、シネマカメラ+本格ライティング+ジンバル+ドローンで30万〜80万円/日が目安となる。「シネマカメラ、スタビライザー、ドローン、4K編集などを取り入れると、機材レンタル料やオペレーター費が加算される」(出典: nowhere film)。
編集だけフリーランスに発注する場合は1本7万円程度から可能。本格的なカラーグレーディング・MA(音声仕上げ)・オリジナルBGMを入れると、1本あたり20万〜80万円程度がポスプロ費として乗る。
ここを見落とすと、後から追加費用が発生する。例として「縦型1本だけ納品」と「縦型+横型+15秒短尺カット+静止画切り出し」では、納品本数が大きく異なるため、編集費用が2倍以上になることもある。さらに、テレビCM・交通広告・海外配信など二次利用範囲が広がる場合、出演者契約・楽曲使用許諾の追加費用が発生する。
撮影に必要な素材を自社で準備することで、大幅なコスト削減が可能だ。写真・過去の動画素材・自社オフィスを撮影場所として提供するだけで、撮影費用を30〜50%削減できるケースもある。出典: 動画幹事 同記事
1本ずつ発注すると、企画費・スタッフ稼働費・移動費が毎回発生する。3本まとめて発注すれば、1本あたりの単価は20〜30%下がる。ショートドラマはシリーズ前提で設計するほうが、コスト効率も世界観の浸透効果も高い。
社員出演や知人キャストの活用で出演料を抑えられる。SNSショートドラマでは、有名タレントよりも演技力のある無名俳優の方が、自然な世界観を作れることも多い。
複数本のショートドラマを1日でまとめ撮りする「集中撮影」は、現場でよく使われる手法だ。1日でショートドラマ3本撮影することで、2日撮影と比べて撮影費・機材費を約40%圧縮できる。
撮影は中堅制作会社、編集はフリーランスに分けて発注するスタイルもある。ただし、ディレクションが分散するためクオリティ管理が難しくなる。発注側にプロジェクト管理力がある場合のみ有効。
ーー
ドラマ制作の見積もりはここまで読んだ内容で、自社で要件定義ができる状態になっているはずだ。実際の見積もり相談・無料の発注設計サポートは /shortdramalab からお問い合わせいただける。
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依頼先 | 価格レンジ | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
制作会社(ショートドラマ専門) | 50万〜500万円 | 企画から納品まで一気通貫・SNS知見 | 大型タレント起用は不得手 |
制作会社(総合) | 100万〜1,000万円 | 大規模制作・タレント起用ノウハウ | SNSアルゴリズム理解が浅い場合あり |
フリーランスクリエイター | 7万〜50万円 | 安価・スピード | 進行管理・キャスティング力に限界 |
広告代理店経由 | 200万〜数千万円 | 媒体配信までセット・大規模対応 | 中間マージン・SNSドラマには過剰 |
生成AI制作サービス | 0〜数十万円 | 圧倒的低コスト | 演者出演型ドラマ表現は不可 |
参考: BOATER「ショートドラマ制作会社おすすめ8選」https://boater.jp/article/6398
縦型ショートドラマ広告は、企画段階からアルゴリズム理解と冒頭3秒の引き設計が必要であり、テレビCM文法をそのまま転用すると「途中離脱される広告」になる。SNSアカウント運用・縦型ドラマ制作を専門にしている会社のほうが、視聴維持率と完了率の両面で結果が出やすい。
ドラマ制作の発注先を選ぶときは、以下5項目で評価する。
SNSショートドラマの実績本数(最低20本以上が目安)
縦型と横型の両対応経験
キャスティング網(俳優・モデル・タレント)の幅
二次利用範囲を契約書で明記する姿勢
納品後の運用支援(投稿・分析・改善提案)の有無
ショートドラマ制作会社の選び方は別記事 ショートドラマ制作会社の選び方と比較ポイント で詳述しているので、合わせて参照されたい。
発注書(または見積書)には、以下5項目を必ず明記する。これを曖昧にすると、納品後にトラブルになる。
納品物の本数・尺・解像度・ファイル形式
納品スケジュール(初稿納品日/修正回数/最終納品日)
追加費用の発生条件(撮影日数延長/キャスト変更/脚本大幅修正の単価)
二次利用範囲(媒体/期間/地域/改変可否)
著作権の帰属(楽曲・脚本・映像素材それぞれ)
「何度でも修正可能」という契約は、実際には現場負担が大きく、結果として品質が下がる。「初稿納品後、修正は2回まで。3回目以降は1回あたり別途見積もり」と明記するのが標準的。
ショートドラマをSNSで公開した後に「テレビCMでも使いたい」「交通広告に転用したい」というニーズが出た場合、出演者契約と楽曲ライセンスを再調整する必要がある。最初から「想定される二次利用先を全て列挙する」のが安全だ。
撮影素材・編集データ・楽曲・脚本のそれぞれで著作権の帰属が異なる。特にBGMをライセンス購入した場合、買い切り型かサブスクリプション型かで継続利用可否が変わる。発注時に整理しておくこと。
A. フリーランスに編集だけ依頼すれば1話7万円程度から可能だが、企画から納品までフルで依頼する場合は30万〜50万円が現実的な最低ラインとなる。出典: nowhere film 同記事
A. 3本まとめて発注した場合、1本あたりの単価は20〜30%下がる傾向がある。企画・スタッフ稼働・移動費が共通化されるため。
A. 主に「企画力不足で再生数が伸びない」「修正回数の制限が厳しい」「二次利用権が発注側に残らない」の3点。価格だけでなく、契約条件と過去実績を必ず確認する。
A. インフルエンサーであれば3万〜30万円から可能。有名タレントになると500万〜1,500万円以上となる。SNSショートドラマでは無名俳優の起用でも十分に成果が出るため、まずはタレント起用なしで検証することを推奨する。
A. 60秒×1本なら半日、3本なら1〜2日、5本以上なら2〜3日が標準。1日に詰め込みすぎると現場が破綻し、結果として再撮になりコスト増になる。制作会社と「1日あたり何本撮るのが現実的か」を事前に擦り合わせる。
A. 単発・低予算・素材提供型ならフリーランス、シリーズ・運用前提・キャスティング必要なら制作会社が向く。社内に動画ディレクション人材がいるかどうかが分岐点。
A. 60秒1本のショートドラマで、発注から納品まで2〜4週間が標準。シリーズ3本で4〜6週間、フルパッケージで2〜3ヶ月。タレント起用がある場合はキャスティング期間がさらに上乗せされる。
ドラマ制作の依頼料金は、SNS用1本の30万円から、フルパッケージの500万〜1,000万円まで幅広い。重要なのは、価格帯ごとに「想定アウトプット」と「想定用途」が明確に異なることであり、ここを発注前に整理することで、見積もり比較がブレなくなる。
本記事で解説した3パターンの見積もり実例(50万/200万/500万)は、それぞれ「試験運用」「アカウント立ち上げ」「ブランド広告」という目的に対応する。自社の目的に最も近いパターンを起点に、7つの料金決定要因(企画・出演者・ロケ・撮影日数・機材・編集・納品形式)を当てはめれば、発注前の社内見積もり感覚はかなり正確になる。
発注書では特に「修正回数」「二次利用範囲」「著作権帰属」の3点を明文化すること。これだけで、納品後のトラブルの大半は防げる。
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ナイトてんしょんは、TikTok・Instagramショートドラマの企画・制作・運用代行を一気通貫で提供しています。企業のSNSドラマ制作を設計します。「ドラマ制作の見積もりが知りたい」「目的に合った価格帯がわからない」といったご相談も無料で受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
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