AIショートドラマを1本完成させるには、生成する前に人物・場面・台詞を決め、生成後にカットをつないで、権利と投稿条件を確認します。モデルへ長い脚本を渡すだけでは、納品できる動画になるとは限りません。

本記事はSeedance 2.0を使う場合の制作手順を扱います。ByteDanceの公式紹介は、テキスト・画像・音声・動画を参照するモデルとして説明しています。以下の台本と工程表は作り方を示す架空例で、当社の制作実績や所要時間の実測ではありません。

なお、ByteDanceは2026年7月31日にSeedance 2.5を発表し、1回30秒の生成などを案内しています。2.5の仕様を2.0へ混ぜず、利用画面のモデル名を確認してください。公式資料の確認日は2026年9月26日です。

最初に、完成動画で伝える出来事を一つ決める

ここでは「帰宅した人が、机に置かれた手紙を見つけ、読む前に相手へ電話する」という架空の場面を考えます。30秒程度の完成動画を想定しますが、一度の生成で全編を作る前提にはしません。

流れをつかむ 全編の前に一場面を試す 1 台本 起こる出来事を決める 2 参照素材 人物と権利を確認 3 一場面の生成 成立するか確かめる 4 編集と公開確認 前後のつながりと表示
記事の判断手順を整理した図。効果や数値の予測ではありません。

先に結末まで決めると、生成する必要のないカットを減らせます。この例なら、部屋へ入る動作、手紙に気付く反応、電話をかける選択が必要です。街の風景や長い歩行シーンを足す前に、その場面が話の理解に必要かを確認します。

決めることこの架空例での指定
主人公帰宅した人物一人
場所机と入口が見える部屋
出来事机の手紙に気付く
変化読まずに相手へ電話する
続きへの疑問手紙の差出人と、電話を選んだ理由

短い物語の構成はショートドラマの脚本の書き方で扱っています。人物の設定や結末が変わるたびに全素材を作り直さなくて済むよう、生成へ入る前に確認する人を決めてください。

参照素材は、使う権利と役割を確認して用意する

人物・衣装・場所を同じ資料へまとめる

参照素材は多ければよいというものではありません。人物の外見を合わせたい画像、動きを参考にする動画、声を指定する音声を分け、それぞれ何を合わせたいのかを書きます。利用できる形式・点数・長さは、契約する提供元の仕様で確認します。

先ほどの架空例なら、主人公の外見、帰宅時の服装、机と入口の位置を揃えます。手紙の文字を読むことが必要なカットは、文字を別途編集で入れる案も検討してください。顔の一貫性が保たれても、文字や手元の動作まで正確とは限りません。

他人の顔や声を無断で参照しない

入力できる素材であっても、広告や商用作品への使用が許されるとは限りません。出演者の許諾、素材の利用規約、生成物の扱いを確認し、納品後に使う媒体と期間も記録します。

権利や実物の再現が関わる制作はAI動画広告の発注と検品に整理しています。商品を正確に見せる必要がある場合には、AI生成の場面と実写を組み合わせる案も検討してください。

カットごとに、画面で起こることを書く

プロンプトでは「感動的」「映画のように」だけで終えず、誰がどこで何をするかを先に書きます。台詞がある場合は話者を指定し、画面外の声なのか、口を動かす人物の声なのかも分けます。

カット画面で起こること生成後の確認
入口主人公が入り、机へ目を向ける視線の先に机があるか
机手紙へ手を伸ばし、途中で止める手紙や指の形が崩れていないか
反応主人公が電話を取り出す衣装と人物が前後で一致するか
結末発信した画面を見て待つ話の順序が理解できるか

これはカット割りの説明用の例です。入力形式は提供元によって変わるため、そのまま貼り付ければ同じ映像になるという保証はありません。必要な場面がうまく生成できない場合は、画角や動作を単純にした案も試します。

一場面を試してから、全編へ進む

ナイトてんしょんが本記事で提案するのは、作品の成立に欠かせない場面を先に試す方法です。この例では「手紙へ手を伸ばし、やめる」という動作が伝わるかを確かめます。当社の成功率や標準制作時間を示すものではありません。

試作で成立しなければ、手元を見せず表情と電話で伝える、手紙は実写で撮るなど、台本と撮り方を見直します。生成回数を増やす前に、表現方法を変えられるかを考えることで、修正の範囲を整理できます。

生成結果は、前後のカットをつないで確認する

一枚ずつ見ると自然でも、並べると人物の服、机の向き、持ち物が変わって見える場合があります。採用する前に仮編集へ置き、動作が前後でつながるかを確認します。

確認する対象修正依頼の書き方の例
人物2カット目だけ上着の色が変わる
小道具手紙を置いた位置が前後で違う
動作手を止める前に電話が出てくる
台詞話者が入れ替わる、語尾が欠ける
音カットの切り替えで環境音が途切れる

「違和感がある」とまとめず、時刻と対象を記録します。直す箇所が編集で対応できるのか、再生成が必要なのかを分けると、同じ素材を何度も作り直す負担を抑えやすくなります。

編集では、台詞・字幕・音量を仕上げる

採用素材を並べたら、出来事が理解できる間を残し、同じ情報を繰り返すカットを整理します。字幕は音声の補助として、話者や場面が分かる位置に置きます。根拠のない「視聴者の何%が無音」という数字で一律に決めず、音が聞こえる場合と聞こえない場合の両方で内容を確認してください。

完成動画をスマートフォンで表示し、投稿先のボタンや説明文に字幕が重ならないかを見ます。音声付き生成でも、台詞の聞き取りや音量の調整が不要になるわけではありません。具体的な編集判断はカット・字幕・音響の実践技法を参照してください。

AI表示と広告表示は、投稿先ごとに確認する

AIで生成したことの開示と、企業から対価を受けた宣伝であることの開示は別の確認事項です。TikTok、Instagram、YouTubeへ同じ素材を投稿する場合も、一つのラベルを映像へ付けるだけで各媒体の条件を満たすとは考えません。

YouTubeでは、有料プロモーションの申告と、改変または合成されたコンテンツの開示がそれぞれ案内されています。投稿前に該当する条件と設定を確認してください。ラベルを付ければ、ほかのポリシー違反や権利の問題が解消されるわけではありません。

動画の確認者と投稿担当者が違う場合は、完成ファイルに加え、表示が必要な理由と設定箇所を渡します。字幕や映像を直した後は、最終版で同じ確認を行います。

1本の費用は、生成以外の作業も含める

料金は提供元、モデル、解像度、尺、音声、契約方法で変わります。無料・有料という区分だけで、商用利用や透かしの条件を判断しないでください。注文前の画面と規約を確認し、適用される条件を保存します。

見積もりでは、生成に使った費用と、台本・参照素材・選別・編集・権利確認・修正の作業を分けます。試作して採用しなかった生成も含めて総額を確認してください。費用を比較する際の考え方はAIショートドラマの費用で解説しています。

よくある質問

30秒のドラマを一度で生成する必要がありますか?

ありません。本記事の30秒は完成動画の想定です。利用するモデルの生成条件に合わせて素材を分け、編集でつなぎます。Seedance 2.5の生成尺を2.0の条件として使わないでください。

同じ人物を参照すれば、確認は不要ですか?

必要です。顔に加え、衣装、小道具、動作、話者が前後で一致するかを見ます。単独のカットで自然に見えても、連続すると違和感が出る場合があります。

AIラベルを付ければ配信制限を避けられますか?

配信を保証するものではありません。素材の権利や内容、広告の表示条件を含め、投稿先の現行ポリシーを確認してください。

他のモデルとも比較したほうがよいですか?

必要な場面が作れるか判断しづらい場合は、同じ台本と参照素材で試します。Kling 3.0とSeedance 2.0の比較を参考に、採用素材の見た目と再生成・編集の負担を分けて比較してください。