TikTok LIVEを配信できるのは18歳以上のアカウントで、視聴者から届いたギフトは「ダイヤモンド」に転換され、配信者はそれを引き出して金銭的な報酬に交換します。ギフトからダイヤモンドへの転換率も、ダイヤモンドから報酬への金額も、TikTokが決めると公式のポリシーに書かれています。検索すると「1ダイヤ=何円」という数字が多く出てきますが、公式の文書で確認できる固定の金額はありません。この記事は、TikTokのコミュニティガイドラインとバーチャルアイテムポリシー、公式ニュースルームを開いて確認できたことだけで構成しています。

TikTok LIVEを始める条件

公式の文書どうしでも、更新時期によって年齢の記載が異なります。どれが現行かを先に整理します。

年齢は18歳以上。保護者の同意があっても変わらない

TikTokのコミュニティガイドライン「アカウントと機能」のTikTok LIVEの節には、「LIVEを開始したり、LIVEセッション中のクリエイターにギフトを送ったりするためには、18歳以上である必要があります」と書かれています。許容されないものの一覧にも、18歳未満のアカウント所有者によるLIVEコンテンツと、18歳未満のアカウントから送られたLIVEギフトが並んでいます。

この年齢は途中で引き上げられました。TikTokの公式ニュースルーム(2022年10月19日)は、LIVE配信の最低年齢を同年11月23日から16歳から18歳に引き上げると発表しています。一方、バーチャルアイテムポリシーは最終更新が2019年12月のままで、ライブ配信のプログラムを「16歳以上」に開放すると記載しています。現行の条件はコミュニティガイドラインの18歳以上です。

フォロワー数の条件は、公式の文書では数字を確認できなかった

バーチャルアイテムポリシーは、配信できるユーザーを「質の高いコンテンツの創作実績、フォロワー数などを含むさまざまな基準に基づき、本プラットフォームの完全な裁量により選定」すると書いています。フォロワー数が基準に含まれることは確認できますが、何人以上という数字はこの文書にはありません。同じポリシーには、成年年齢未満のユーザーは親権者の許可を得て参加できるという記載もありますが、これも2019年時点の内容です。

公開されているコミュニティガイドラインとポリシーの本文からは、人数の条件を確認できませんでした。そのため、よく見かける「フォロワー何人から」という数字はここには書きません。自分のアカウントで配信できるかどうかは、アプリで実際にLIVEを開始できるかで確かめるのが確実です。

ギフトが収益になるまでの流れ

TikTokの日本向けニュースルームによると、ギフトの機能は2021年3月1日に開始されました。

コイン、ギフト、ダイヤモンドの順に形が変わる

視聴者はアプリ内で「コイン」を購入し、コインを「ギフト」と交換して配信者に贈ります。バーチャルアイテムポリシーによれば、贈られたギフトは視聴者のアカウントから削除され、配信者のアカウント内の「ダイヤモンド」に転換されます。ダイヤモンドは「関連するユーザーコンテンツの人気度を測るもの」と定義され、購入することはできません。

流れをつかむ 転換率も報酬額も、決めるのはTikTok 1 コインを購入 視聴者がアプリ内で 2 ギフトを贈る コインと交換 3 ダイヤモンドに転換 転換率は運営が決定 4 報酬に交換 米ドル建てで算定
TikTokのバーチャルアイテムポリシーをもとに作成 受け取りと引き出しは成年年齢(18歳)以上

転換の比率について、ポリシーは「当社が絶対かつ単独の裁量で随時決定する転換率」と書いています。コインを買えるのも、ギフトを受け取れるのも、ダイヤモンドを獲得して引き出せるのも「お客様の法域における成年年齢以上のユーザー」に限られます。日本の成年年齢は、法務省の案内のとおり2022年4月1日から18歳です。2021年の開始時点の発表が「20歳以上」としていたのは、当時の成年年齢が20歳だったためです。

ダイヤモンドの引き出しで、決まっていること・いないこと

配信者は、アカウントの画面でダイヤモンドを引き出し、金銭的報酬(米ドル建て)と交換できます。金額は「さまざまな要因(ユーザーが蓄積したダイヤモンドの数を含みます)に基づいて当社が算定」するとされ、1ダイヤモンドあたりの固定額はポリシーに書かれていません。支払いの前にTikTokが身元や年齢を確認する権利を持つこと、1日あたりの引き出し限度額が適用される場合があることも明記されています。

関係を整理 固定の換金額は、公式の文書に書かれて いない 項目 公式文書の記載 配信の年齢 18歳以上 報酬の通貨 米ドル建て 税金 配信者の責任 1ダイヤの固定額 記載なし フォロワー数の条件 人数の記載なし
TikTokのコミュニティガイドラインとバーチャルアイテムポリシーをもとに作成 金額は自分の引き出し画面で確かめる

税金は配信者の責任です。ポリシーは、支払いに税金が課される場合は配信者が税務当局に支払う責任を負うとしています。視聴者がギフトの返金を受ける権利を持つ場合、そのギフトに関連して引き出した報酬は没収され、通知から5営業日以内に返す責任があるとも書かれています。ポリシーに違反した場合はダイヤモンドが削除されることがあり、TikTokはダイヤモンドの仕組み自体をいつでも中止できます。配信の収入を生活費に組み込む人は、この不確実さを前提に月単位の収入の組み方を考えてください。

ガイドラインに違反したときの扱い

LIVEは録画の投稿と違い、その場で起きたことがそのまま配信されます。違反の扱いもLIVE専用の記述があります。

配信の停止から、アカウントの永久停止まで

コミュニティガイドラインは、LIVEセッションにポリシー違反のコンテンツが含まれている場合、そのセッションは停止され、クリエイターは一時的にLIVE配信を制限される可能性があるとしています。繰り返しの違反や重大な違反(制限を回避しようとする試みを含む)は、アカウントの永久停止につながる可能性があります。

流れをつかむ 違反を重ねると、配信の停止では済まな くなる 1 配信の停止 違反を含むセッション 2 一時的な配信制限 LIVEができない期間 3 アカウント永久停止 繰り返し・重大な違反
TikTokのコミュニティガイドライン「アカウントと機能」をもとに作成 ゲストとツールの違反も配信者の責任

すべての地域で許容されないLIVEとして挙げられているのは、暴力的な衝突シーンの表示、銃器や爆発性武器の表示または助長、賭博または賭博に類する行為への参加です。未成年者に適さない内容を含むLIVEは、18歳以上の視聴者に制限されます。他人になりすます行為や、他人のコンテンツを許可なく配信する行為も制限の対象です。市販の音源を流して歌う配信や、既存の台本を読む配信は、この最後の項目に関わる可能性があります。使う素材の権利は配信の前に確認してください。

ゲストとツールの分まで、配信者が責任を負う

マルチゲストLIVEでゲストがルールに違反した場合、ゲストは配信から削除され、配信者も一時的にゲスト機能を使えなくなる可能性があります。音声テキスト化ソフトウェア、リアルタイム翻訳、画面上のコメント表示といったサードパーティツールについても、ガイドラインは配信者が「配信中に発生するすべてのことに責任を負います」と明記しています。音声テキスト化ツールが有害なコメントを読み上げた場合でも、その機能を有効にした配信者の責任になります。

収益に関しては、コミュニティガイドラインとは別に「LIVE収益化ガイドライン」と「LIVE機能ガイドライン」を守る必要があると案内されています。この2つの文書の中身は、この記事では扱っていません。配信で収益を得る前に、アプリ内の案内から必ず目を通してください。商業的な内容をLIVEで扱うときは、商業的コンテンツ開示のトグルで開示する決まりです。

16歳や17歳でも、保護者が同意すれば配信できる?
できません。コミュニティガイドラインは、LIVEの開始に18歳以上を求めています。2019年更新のポリシーには16歳の記載が残っていますが、TikTokは2022年10月に、同年11月23日から最低年齢を18歳に引き上げると発表しています。
もらったギフトは、そのまま現金で振り込まれる?
ギフトは配信者のアカウントでダイヤモンドに転換されます。配信者がダイヤモンドを引き出すと、TikTokが算定した金銭的報酬(米ドル建て)に交換されます。
「1ダイヤ=何円」は決まっている?
公式のバーチャルアイテムポリシーに固定の金額はありません。転換率はTikTokが随時決定し、報酬額もTikTokが算定すると書かれています。
違反しても、その日の配信が止まるだけ?
配信の停止に加えて、一時的にLIVE配信ができなくなる可能性があります。繰り返しや重大な違反は、アカウントの永久停止につながる可能性があります。
読み上げツールが勝手に読んだコメントは、自分の責任ではない?
配信者の責任です。ガイドラインは、サードパーティツールを使う場合でも、配信中に起きるすべてのことに配信者が責任を負うとしています。

事務所に所属すると、何が変わるのか

ライブ配信の事務所(エージェンシー)に入るかどうかは、始める前後で多くの人が迷う点です。公式に確認できることと、契約で確かめることに分けます。

プラットフォームのルールは、所属しても同じ

コミュニティガイドラインのLIVEの節に、事務所の所属者を例外とする記述はありません。18歳以上という条件、違反時の扱い、ツールへの責任は、所属の有無に関係なく配信者本人にかかります。ダイヤモンドの転換率をTikTokが決める点も同じです。事務所を通すとTikTok側の報酬の条件がどう変わるかについては、公式の文書で確認できなかったため、この記事では扱いません。

当社が事務所の運営者として説明できるのは、プラットフォームの外側の支援です。当社が運営するKAIMAKUは「表現者のためのライブ配信事務所」で、応募・面談・所属は0円、配信のノルマはありません(目安として月50時間以上を推奨しています)。所属者の半生をショートドラマにする制作、撮影現場からの配信、自社ドラマへの優先キャスティングなど、5つのサポートを用意しています。

契約の前に確かめること

内閣官房と公正取引委員会が2025年9月30日に公表した「実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化に関する指針」は、対象とする実演家に動画配信者を含めています。指針は事務所側に、専属義務の期間を契約で明確に定めること、契約を書面で行い内容を十分に説明することを求めています。実演家がフリーランス新法の対象になるかどうかは、個別の契約の実態を踏まえて判断するとも述べています。

配信者の側は、費用がかかるか、配信時間の義務があるか、契約期間は何か月か、辞めるときの手続きと費用はどうなるかを、面談で質問して文字で受け取ってください。報酬の分け方は事務所ごとに違い、この記事では金額や率を示しません。契約全般で確かめる項目はフリーランス新法で出演契約はどう変わるかにまとめています。

配信で付いたファンを、次の活動につなげる

配信だけで完結させるか、舞台やライブ、作品の出演につなげるかで、配信の中で話す内容が変わります。

配信は毎週会える場所、公演は日付のある予定

芸団協の第11回実態調査の速報(2025年3月実施)では、2020年以降の変化として「オンライン配信が増えた」と答えた実演家が37.9%、「SNSやブログなどの活用が増えた」が36.9%いました。同じ調査で、技術や技能を向上させるために必要な条件の1位は「実演や技能を披露する機会(公演など)の充実」の55.7%です。配信が増えた後も、公演で披露する機会の充実を求める回答が最も多くなっています。

配信のファンに公演へ来てもらうには、日付、場所、申し込み方法が決まった時点で、配信の中で繰り返し伝える必要があります。配信はいつでも見に来られますが、公演は日付が決まっています。告知が商業的な内容にあたる場合は、前述の開示のトグルを使います。

出演者を探す側は、配信の何を見るか

縦型ショートドラマを制作し、出演者をキャスティングする当社の立場から言えるのは、配信のアーカイブやプロフィールから「何ができる人か」が分かると、声をかける判断がしやすいということです。歌える、芝居ができる、話して場を持たせられるといった能力は、経歴の文章よりも、実際に動いている映像のほうが伝わります。当社は自社アカウント合計の年間再生回数が1億5,000万回を超えるショートドラマを制作しており、KAIMAKUには所属者を自社ドラマへ優先的にキャスティングするサポートがあります。

プロフィールには活動の分野と連絡の方法を書き、出演の依頼を受けられる状態にしておいてください。このメディアを運営している会社の情報は会社情報に載せています。

よくある質問

Q. TikTok LIVEは何歳からできますか

18歳以上です。TikTokのコミュニティガイドラインは、LIVEの開始とLIVE中のギフトの送信に18歳以上を求めています。以前は16歳以上でしたが、TikTokは2022年10月に、同年11月23日から18歳に引き上げると発表しました。保護者の同意があっても18歳未満は配信できません。

Q. TikTok LIVEのギフトは、いくらで換金できますか

公式のバーチャルアイテムポリシーに、固定の換金額は書かれていません。ギフトはTikTokが決める転換率でダイヤモンドになり、ダイヤモンドを引き出すときの報酬額もTikTokが算定します。外部のサイトにある「1ダイヤ=何円」の数字は公式の文書で確認できなかったため、採用していません。実際の金額は、自分のアカウントの引き出し画面で確かめてください。

Q. フォロワーが少なくてもLIVE配信はできますか

TikTokのポリシーは、フォロワー数などの基準にもとづいてTikTokの裁量で配信できるユーザーを選ぶとしています。具体的な人数は、公開されているガイドラインとポリシーの本文では確認できませんでした。自分のアカウントでLIVEを開始できるかを、アプリで確かめてください。

Q. 事務所に入らないと収益化できませんか

ギフトを受け取ってダイヤモンドを引き出す仕組みは、成年年齢以上の配信者を対象としたTikTokの機能で、ポリシーに事務所への所属を条件とする記載はありません。事務所に入るかどうかは、配信の改善や出演機会といった支援が自分に必要かで決めてください。

最初の配信の前にやること

自分のアカウントでLIVEを開始できるかをアプリで確かめ、コミュニティガイドラインの「TikTok LIVE」の節を一度通して読んでください。コメントを読み上げるツールやゲスト機能を使う予定なら、その責任が自分にかかることを踏まえて設定を決めます。配信を収入の柱のひとつにしたい人は、転換率と報酬額をTikTokが決める前提で、ほかの収入源と合わせて月の計画を立ててください。ほかの記事は表現者の生存戦略の一覧にあります。