配信でBGMを流す前には、曲の著作権と、使う録音物の許諾を確認します。JASRACやNexToneと契約しているサービスでも、市販のCDや購入した音源を自由に配信できるとは限りません。自分で演奏するのか、誰かが録音した音を流すのかで、確認先が変わります。JASRACの利用案内とNexToneの注意事項も、この違いを説明しています。

この記事は2026年9月25日に確認した公式資料をもとに、雑談や歌の配信で音楽を使う個人向けに整理したものです。個別の曲を利用できるかは、その曲の管理状況、音源の許諾条件、配信サービスの規約を照合して判断してください。

包括契約で確認できることと、音源に残る確認

関係を整理 曲と録音物は確認先が違う 確認するもの 主な確認先 歌詞・メロディ 管理団体・権利者 使う録音物 音源の権利者
JASRAC・NexToneの案内をもとに整理。曲の管理状況と、使う音源の許諾を分けて確認します。 配信先との契約・規約も確認

曲名と音源の入手先を分けてメモする

同じ曲でも、自分がピアノで弾いた音と、歌手のCDに収録された音では、録音物の作り手が違います。JASRACは市販CDやダウンロード音源の利用について、音源製作者やアーティストの著作隣接権の許諾を別に得る必要があると案内しています。市販音源を使う場合の注意

まず配信で使いたい曲名の横に、音の入手先を書いてください。「自分で演奏して録音」「公式の音楽ライブラリ」「購入したCD」のような書き方で十分です。このメモは編集部が勧める確認方法で、申請の代わりになる書類ではありません。曲名だけで調べ終えると、手元の伴奏ファイルをどこから入手したかが抜けます。友人にもらった音源なら、友人が作ったものか、別の場所から取得したものかも確かめます。

管理団体の名前が分かっても、利用範囲まで確かめる

NexToneは契約先サービスの運営者が楽曲の報告や使用料の支払いを行うため、対象範囲では投稿者による個別の手続きが不要と説明しています。作品検索では「配信」欄の表示を確認するよう案内しています。NexTone・インターネット上の音楽利用

調べるときは「この曲は有名だから管理されているはず」と推測せず、公式データベースと利用案内を開きます。JASRACの案内からは作品検索「J-WID」へ進めます。JASRAC・管理楽曲の確認

確認メモには、検索した日、曲を特定できる情報、確認した利用区分を残すと、次の配信で同名曲と取り違えにくくなります。検索結果に不明な表示があれば、曲名と配信先、使い方をそろえて管理団体へ問い合わせてください。管理されていない曲を、自由に使える曲として扱わないことも必要です。

配信サービスの一覧は、音源選びの出発点

掲載の有無と、その横にある注記を読む

JASRACの契約先一覧は2026年8月21日、NexToneの一覧は同年6月25日の更新を確認しました。下表のサービスはいずれも両者の一覧に掲載されています。ただし、対象となる作品や機能、個別に必要な手続きは各案内に従います。JASRAC・契約先一覧/NexTone・契約先一覧PDF

配信・投稿先一覧で確認した掲載次に読む注意点
YouTube両団体に掲載動画投稿と外部サイトへの埋め込みを区別
TikTok両団体に掲載宣伝を含む動画では商用音楽の条件を確認
TikTok LIVE両団体に掲載JASRAC一覧ではライブ配信に関する注記あり
Instagram両団体に掲載NexTone一覧は投稿機能を用いる場合との注記あり

この表は契約先の掲載確認です。Instagramの行からライブ配信全般の許諾まで広げて判断したり、TikTokの投稿用音楽の条件をそのままLIVEへ当てはめたりしないでください。使う機能を決めてから、その機能のヘルプを読む順番にすると、別機能の説明で判断するのを避けられます。TikTok LIVEを始める条件は、配信の準備を調べるときの関連記事です。

公式ライブラリでも、選んだ曲の条件を残す

YouTubeの動画用BGMなら、YouTube Studioのオーディオライブラリで探せます。クリエイティブ・コモンズの曲には説明欄での帰属表示が必要で、帰属表示が不要な標準ライセンスの曲もあります。YouTubeパートナープログラムの参加者は、その音楽を使用した動画を収益化できます。YouTube・オーディオライブラリ

選曲したら、曲名とライセンスの種類、必要なクレジット文を動画の作業フォルダに保存するのがおすすめです。編集を誰かに頼むなら、その情報も音源と一緒に渡せます。「公式から取った」という記憶だけに頼らず、どの曲にどの条件が付いていたかを残しましょう。YouTubeの説明を根拠に、同じファイルを他サービスの配信で使えると広げて判断することも避けてください。

雑談のBGMと歌の伴奏で、迷いやすい場面

カラオケ音源は、歌う曲とは別に調べる

NexToneの注意事項では、自分で演奏・製作した音と、第三者が作ったCD・配信音源・カラオケを区別しています。他人が作った録音物を使う場合は、その原盤の権利者への確認が必要です。NexTone・演奏と音源の扱い

歌枠を準備するなら、候補曲の一覧に「伴奏の入手先」「配信への使用条件」の欄を作ってみてください。動画サイトにカラオケが公開されていても、公開されているという事実だけでは、自分の配信に組み込める条件まで分かりません。投稿者の説明に許諾が書かれている場合も、その投稿者が許諾できる範囲を確かめます。確認できるまでの代案を考えておけば、配信直前に出所不明のファイルを探す必要がなくなります。

自作音源は、使った素材まで確認する

自分で録音したBGMを用意するときも、素材の出所を振り返ります。YouTubeは、制作にサンプルやループを使ったコンテンツを収益化する場合、そのライセンスで商用利用が明示的に許可されていることを確認するよう案内しています。YouTube・収益化できるコンテンツ

例えば、作曲から録音まで自分で行った曲と、配布された伴奏素材を組み合わせた曲では、確認する資料が変わります。制作ソフトのプロジェクトと一緒に素材名や規約を保存しておくと、後から動画の用途が変わったときにも調べ直せます。他の演奏者に録音を頼んだ場合は、どこに配信するか、録画を残すかを依頼時に伝えると、利用範囲の話を進めやすくなります。この保存方法は編集部の提案で、個別の許諾判断を代行するものではありません。

アーカイブや切り抜きは、使い道が変わる時点で確認

流れをつかむ 使い道を決めて条件を照合する 1 配信方法を決める 機能・宣伝の有無 2 再利用も書き出す 録画・切り抜き 3 許諾条件と照合 不明な点を確認
配信前に予定する使い道を書き出し、音源の許諾条件と照らし合わせます。 編集部の確認手順案。許諾の判定ではない

生配信の予定を、録画の投稿まで書き出す

配信の準備段階で「当日だけ流す」「アーカイブを残す」「一部を切り抜いて投稿する」という使い道を書き出します。音源の規約を読むときに、必要な利用範囲を見落とさないためです。配信後に良い場面が見つかっても、音楽の条件が分からなければ、映像と一緒に再利用してよいか判断できません。

外部サイトへの埋め込みにも注意が必要です。NexToneは投稿先サービスとの契約がある場合でも、広告利用や外部サイトへの埋め込みでは、投稿者による手続きが必要になる場合を案内しています。NexTone・利用手続きの案内

「動画をもう一度アップロードする」と「公開済み動画を自分のサイトに埋め込む」は、確認メモでも分けて書きましょう。どの機能で、どのページに載せるのかまで書けば、管理団体や音源提供者への問い合わせも具体的になります。

商品紹介を頼まれたら、普段のBGMを引き継がない

TikTokの公式案内は、一般の音楽ライブラリの商用利用を認めておらず、ブランドコンテンツや動画広告などには商用音楽ライブラリ(CML)を案内しています。他ユーザーのオリジナル楽曲やライセンスのある音楽を使う場合にも、適切な許可の確認を求めています。TikTok・商用音楽ライブラリ

普段の投稿で選べた音楽を、商品紹介の仕事にも使えると決めないでください。依頼を受けたら、投稿先と音源、広告への転用予定を依頼者に確認します。当社はショートドラマを企画・制作し、出演者をキャスティングする立場ですが、制作現場で使う音源を出演者本人の配信でも使えるかは、利用範囲を別途確認する必要があります。出演・配信の契約で確認することも、依頼内容を書面で確かめる際に参考になります。

次の配信で使う1曲の確認メモを作る

チェックが埋まった後も、根拠の文書を残す

次のチェックリストは、確認した情報が手元にあるかを点検するためのものです。点数で利用の適法性を判定したり、許諾を発行したりする機能ではありません。各項目を押す前に、規約の該当箇所や確認した回答を自分で読み返してください。リンク先が変わったときに備え、確認日と必要な条件もメモします。

  • 曲名と管理状況を確認した資料がある
  • 音源の入手先と使用条件を説明できる
  • 使う配信機能と宣伝の有無を確かめた
  • 録画や切り抜きで使う範囲も確かめた

未確認の項目から、公式案内や権利者の回答を集めてください。

資料がそろったら、今回の使い方と許諾条件が一致するか読み合わせてください。

編集部による資料整理の補助です。全項目を選んでも、利用許諾の取得や適法性を保証しません。

問い合わせ文には「この曲を使えますか」だけを書かず、入手先、配信先の機能、アーカイブの有無を添えましょう。回答が特定の配信だけを対象にしている場合、次の企画へ使い回さず、変更した条件を伝えて確認します。

配信の準備を、続けられる手順にする

毎回すべての候補曲を調べる負担が大きいなら、まず次の配信で使う曲を絞り、その確認資料を残すところから始めます。音源ごとのメモには、問い合わせが済んでいる項目と返答を待っている項目を分けて書くと、別の日に作業を再開しやすくなります。確認できていない音源は配信設定から外し、話す内容や使う機材の準備を先に進められます。

ナイトてんしょんが運営するKAIMAKUは、表現者のためのライブ配信事務所です。活動の相談をする際は、演技や歌と配信をどう組み合わせたいか、音楽の準備でどこに困っているかを具体的に伝えてください。音源の許諾は権利者やサービスの案内で確かめ、活動の計画は自分の状況に合わせて相談します。ほかの準備については表現者の生存戦略の記事一覧から探せます。

よくある質問

Q. 非収益の配信なら、市販のCDを流してもよいですか?

非収益という理由だけで、音源の許諾が不要とは判断できません。JASRACは市販CD等について、著作隣接権の許諾を別途確認するよう案内しています。使う録音物と配信先を特定して問い合わせてください。JASRAC・音源の利用

Q. 著作権フリーと書かれたBGMなら、どこでも使えますか?

提供元のライセンスで、今回の使い方が認められているか確認します。YouTubeも、他の音楽ライブラリの著作権使用料無料の音楽について、問題の責任を負わないと説明しています。配信先、商用利用、必要な表示を確かめてから選んでください。YouTube・利用上の留意点

Q. 曲を自分で弾けば、替え歌もそのまま配信できますか?

NexToneは編曲、訳詞、替え歌などの改変について、作詞者・作曲者・音楽出版社等への確認が必要と案内しています。演奏音を自分で用意したことから、改変の許可まで得たと判断しないでください。NexTone・改変に関する注意

次の配信で使う曲を1つ決めたら、音源の入手先と予定する使い道を同じメモに書き、未確認の条件を公式案内で確かめるところから始めてください。