ショートドラマの撮影場所は、必要な画と音が撮れるか、利用できる時間、手配費を含む総額で選びます。自社オフィスでも、営業の調整や片付け、音への対策が必要になるため、レンタルスタジオより安いとは限りません。
場所の候補を制作会社へ伝え、同じ台本・本数で費用と工程を比べてください。ナイトてんしょんの制作プランはキャスト費・スタジオ費込みです。プランの内容は公開料金、約1ヶ月を目安とする工程は制作の流れで確認できます。特定の施設を使う希望は、正式な見積もりの前に共有してください。
撮影場所は誰が用意するのか
候補出し・下見・予約・利用料・当日の管理のうち、どこまで制作会社に依頼するかを見積もりで決めます。費目が書かれていなければ、無料と判断せず、基本料金に含むのか、発注側が手配するのか、未確定なのかを確認してください。
以下は担当分けの例です。案件の契約と施設のルールに合わせて調整します。
| 項目 | 制作会社の担当範囲 | 発注側でしか動かせないこと |
|---|---|---|
| 外部ロケ地・スタジオ | 候補出し・下見・予約・当日の運営 | 使用料を含む予算の承認 |
| 自社オフィス・店舗 | 画角の設計・機材と導線の計画 | 使用の許可、営業や業務の調整、社内の周知 |
| 取引先・グループ会社の施設 | 必要な条件の提示 | 先方への依頼と条件交渉(窓口は発注側が持つ) |
| 公道・公共の場所 | 許可申請の実務 | 撮る内容の確定(申請には内容と日時が要る) |
社内の使用許可や予算承認は、発注側の承認者を決めて進めます。制作会社が調整を補助する場合も、決裁できる人と期限を共有してください。
3つの選択肢を制約で比べる
場所の選択肢は大きく3つです。使用料に加えて、使える時間と録音環境を比べてください。
| 候補 | 下見で確かめる点 | 見積もりへ入れる点 |
|---|---|---|
| スタジオ | 遮音・予約枠・背景 | 利用料・延長・再予約 |
| 店舗などのロケ地 | 営業時間・通行・周囲の音 | 使用料・営業調整・原状回復 |
| 自社施設 | 業務音・写り込み・使用範囲 | 社内対応・片付け・移動 |
この表は本記事の比較用チェック項目です。場所の種類だけで費用や手間の大小は決まりません。例えば「自社施設なので使用料0円」という見積もりでも、立ち会う社員の作業時間や営業時間への影響は別に残ります。比較する制作本数と利用時間をそろえ、誰の負担になるかまで記入してください。
採用や会社紹介では、実際の職場を映すことが情報になります。家庭の場面をオフィスで撮る場合は、画角や美術で成立するかを下見で確かめます。企画に必要な背景を用意できないときは、台本を変える案と別の場所を借りる案を比べてください。
見積もりでは使用料だけを引き算せず、撤収・原状回復、移動、営業時間への影響まで確認します。制作費の内訳と同じ費目で並べると、場所の変更で何が増減するかを確かめられます。
自社の施設で撮るなら、先に決める6つ
自社オフィスや店舗を使う場合は、会場代に加え、営業時間の調整、片付け、社内対応の費用と工数も比べます。下見の前に次の6つを社内で確認してください。
1. 使ってよい範囲 フロア全体なのか、会議室だけなのか。通れる範囲が決まっていないと、機材の置き場所と導線が組めません。
2. 音が出せる時間帯 隣の席で商談が入る時間には録れません。撮影は静かな作業ではありません。同じセリフを何度も声に出します。確認するのは「その時間は会議室が空いているか」ではなく、「その時間は声を出してよいか」です。
3. 写り込みの可否 社外秘の資料、ホワイトボード、モニター、書類、他社のロゴが入った什器。撮影後の確認で消せない写り込みが見つかると、そのカットは使えません。撮る前に片付けるほうが、あとで編集で隠すより早くて安全です。
4. 従業員の同意 通りがかりの社員が映る場合、その人の同意が要ります。全社に周知したうえで、映りたくない人が避けられる導線を作ってください。出演者側の権利の扱いはショートドラマの出演者契約と二次利用に書いています。
5. 電源と控え場所 照明と機材で電源を使います。ブレーカーの容量と、着替えや待機に使える部屋があるかどうか。これが無いと、当日に廊下で立ちっぱなしという事態になります。
6. 撮影日の責任者 社内で判断できる人が1人、当日その場にいる必要があります。「この部屋を使っていいか」「この資料は映してよいか」を電話で確認していると、そのたびに撮影が止まります。
この6つは、発注側の担当者が単独で決められないものが混ざっています。だからこそ、企画が固まった時点で動き始めてください。施設や申請先の受付期限を調べ、撮影日から逆算してください。
許可が必要になるのはどこからか
私有地でも、所有者や施設管理者の使用条件を確認します。公園などでは管理者の許可、道路では道路使用許可など、場所と撮影方法に応じた手続が必要になることがあります。「屋内なら行政の許可は一切不要」「公共の場所は施設の同意だけでよい」と一律には判断できません。
警察庁のロケ撮影の案内は、道路使用許可について事前相談と関係者との調整を案内しています。候補地、日時、機材配置、通行への影響を整理して、管轄警察署へ相談してください。制作会社と、申請する担当者、必要資料を用意する担当者、回答を確認する期限を決めておきます。
施設の使用同意と道路使用許可は別に確認します。店内で撮る予定でも機材車を道路へ置くなど、撮影の範囲が敷地外に広がる場合は、その使い方も相談へ含めてください。
場所が決まらないと、何が止まるか
「場所は後で決めればいい」と思われがちですが、実際には工程の真ん中にあります。場所の候補が変わったとき、見直す項目を並べます。
| 場所と合わせて調整するもの | 決まらないと起きること |
|---|---|
| 撮影日と時間割 | 仮押さえ期限と場所の確定日を調整 |
| 台本のト書き(どこで何が起きるか) | 書き直しになる。承認をもう一度取り直す |
| 機材・照明の構成 | 当日に足りない、または運びすぎる |
| 許可申請の要否と提出日 | 間に合わず、撮れる場所が減る |
| 衣装・小道具 | 背景と合わず、画が散らかる |
出演者と場所の空きは別々に変わります。候補日を並行して照会し、仮押さえが失効する前に撮影日を決めます。公開までの日数の考え方はショートドラマの納期と撮影期間にまとめています。
複数本をまとめて撮るなら、場所から設計する
SNS向けのショートドラマは、1本だけ作って終わりにはなりません。継続して出していく前提なら、場所の決め方も変わります。
当社が自社アカウントとクライアント案件で企画・撮影・編集まで行っている制作実務では、複数本を同じ日にまとめて撮る設計を標準にしています。場所を軸にまとめると移動・設営を減らせる場合があります。ただし利用時間の延長や出演者の待機が増えないかも確認します。考え方はこうです。
- 場所を先に固定して、そこで成立する話だけを企画に残す:企画ごとに異なる場所が必要なら、移動と手配が増えます
- 同じ場所で撮れる話をまとめる:移動が1回減ると、機材の積み下ろしとセッティングがまるごと1回分減ります
- 背景の使い分けで別の場所に見せる:同じ部屋でも、画角・小道具・時間帯を変えれば別のシーンとして成立します
- 人の拘束時間を場所ごとに束ねる:出演者を1日で解放できると、次の撮影も組みやすくなります
移動そのものは作品に映りません。1日の中で移動と設営が占める時間を削ると、そのぶん撮れるカット数が増えます。まとめ撮りを前提にすると、企画の段階から「この場所で撮れるか」を条件に入れることになり、結果として台本の手戻りも減ります。
制作の全工程はショートドラマの作り方に整理しています。
発注前に伝えておくと早い5つ
最初の打ち合わせで次の情報を渡すと、制作会社が下見の必要箇所を絞れます。
- 使える自社施設の有無(オフィス、店舗、倉庫、社用車など。室内全体と出入口の写真を用意)
- 社内で撮影に使える日と時間帯(業務への影響が小さい曜日・時間)
- 映してはいけないもの(社外秘、他社ロゴ、取引先名、個人が特定できるもの)
- 場所にかけられる予算があるか(外部を借りる余地があるかどうか)
- 屋外を使いたいか(使いたい場合は許可の検討が前倒しで必要)
このうち3つ目は、最後まで出てこないことが多い情報です。撮影後の確認で発覚すると、そのカットは撮り直しになります。先に開示するほど安全で、安く済みます。
よくある質問
Q. 撮影場所は制作会社が探してくれますか?
候補出し・下見・予約を依頼できるか、使用料が基本料金に含まれるかを会社ごとに確認してください。自社施設を使う場合は、社内の使用許可だけは発注側で取っていただく必要があります。
Q. 自社のオフィスで撮ると、どれくらい安くなりますか?
同じ企画で見積もりを比べる必要があります。自社施設へ移動する費用や、撮影に使える時間も条件に入ります。ただし社内調整の手間は発注側に発生し、音や写り込みの制約で撮影時間が伸びることもあります。金額差は企画と施設の条件で変わるため、具体的な見積もりはご相談時にお出しします。
Q. 街中で撮るには許可が要りますか?
道路上で行うロケ撮影は、道路交通法第77条にもとづく警察署長の許可の対象になります。三脚を立てる、通行を制限するといった態様では申請を前提に動きます。要否の判断は場所と撮り方によるため、管轄の警察署への事前相談が必要です。申請には撮影内容と日時の確定が要るので、台本を早めに固めてください。
Q. カフェや店舗で撮りたいのですが、お客として入って撮ってはいけませんか?
営業中の店舗での撮影は、店舗側の許可が必要です。他のお客様が映る問題もあります。無断で撮った映像は、公開後に取り下げになるリスクを抱え続けることになります。撮影の可否と条件を先に店舗と決めてください。
Q. 場所はいつまでに決めればいいですか?
台本の案と場所の候補を並行して照合し、撮影準備を確定する期限までに決めます。屋外や公共の場所を使う可能性があるなら、さらに前倒しで相談を始めてください。
Q. 1本目と2本目で場所を変えたほうがいいですか?
話ごとに必要な場面で決めてください。同じ部屋で続く会話なら場所を共通にできます。物語上の移動が必要なら、シリーズの途中でも別の場所を使います。
場所の候補を見積もりへ反映する
撮影場所の話は、費用の話に見えて、実際は工程と手戻りの話です。決める順番はこうなります。
- 自社施設を使えるかを先に確認する(全体と出入口の写真を添える)
- 使えるなら、範囲・音・写り込み・同意・電源・当日の責任者の6つを社内で決める
- 使えないなら、場所にかけられる予算の枠を先に決めて制作会社に渡す
- 屋外を使うなら、台本の確定を前倒しして許可の相談を始める
- 継続して出すなら、場所を固定して、そこで成立する企画に絞る
場所が決まらないまま企画を進めると、台本の書き直し・出演者の再調整・許可の遅れが一度に来ます。逆に言えば、最初の打ち合わせで場所の前提を1つ決めておくだけで、場所の確定に必要な確認を早く始められます。
当社は年間再生回数1億5,000万回を超えるアカウント運用の中で、企画から撮影・編集までを自社で回しています。撮影場所の設計から相談したい場合はお問い合わせください。サービスの内容はショートドラマ制作にまとめています。
参考リンク
- 警察庁「ロケ撮影に伴う道路使用許可申請について」(2026年9月7日参照)
- 警察庁「道路使用許可の概要、申請手続等」(2026年9月7日参照)
- 警視庁「道路使用許可申請手続きについて」(2026年9月7日参照)