動画広告を作る前に、リンク先のLP(ランディングページ)で何を案内するかを決めます。動画を見た人が期待する商品、利用条件、申し込み方法を、ページでも確認できる状態にするためです。台本とLPを並べて読み、話が食い違う箇所を撮影前に直すと、完成した動画の撮り直しを避ける判断ができます。
とくにショートドラマ広告では、人物の困りごとから商品への関心を作ります。続きのページが会社紹介だけだったり、動画と違う商品の申し込みを求めたりすると、視聴者は説明を探し直すことになります。この記事では、発注担当者が動画制作会社とWeb担当者へ渡せる照合表と、公開後に改善箇所を絞る手順を示します。
最初に、動画を見た人が次に知りたいことを書く
台本の打ち合わせでは「最後にどのURLを出すか」に加え、「そのページで何が分かるか」を確認します。動画で料金の安さに関心を持った人には料金と適用条件、使い方に関心を持った人には手順や対応範囲が必要です。会社のトップページへ送る場合も、目的の説明へ迷わず進めるかを見てください。
Google広告の最適化に関する公式ヘルプは、広告とランディングページの内容を対応させ、広告で示した内容をページですぐ確認できるようにする考え方を案内しています。同資料には検索広告を前提とする説明もあります。本記事のドラマ台本への当てはめは、その考え方を参考にした制作上の提案です。すべての動画広告に同じ改善率が出ることを示す資料ではありません。
たとえば、架空の家事支援サービスを題材にした広告を考えます。主人公が来客前の片付けに困り、利用できる作業の範囲を確認して予約する話なら、リンク先でも作業範囲と予約方法を先に見せる案が考えられます。ページの冒頭が採用情報だけであれば、広告の続きを見に来た人への案内にはなりません。
制作を相談する段階では、公開予定のページURLと、今回案内したい商品・行動を共有してください。ショートドラマ制作の対応範囲を確認し、台本とリンク先のどちらを誰が用意するかまで見積もりの条件に含めると、担当の抜けを防げます。
台本とLPで、対象者・条件・行動を照合する
同じ単語を繰り返す必要はありません。動画は人物の会話や動作で伝え、LPは料金表や説明文で詳しく伝えられます。表現が違っても、誰が利用でき、何を受け取れ、次に何をするかが食い違わないようにします。
以下は発注者が用いる照合表の例です。商品に関する事実は、販売・サービス担当者が正式な資料に照らして確認します。動画制作会社へ判断を任せきりにせず、未確定の条件には確認担当と期限を残してください。
| 確認項目 | 動画で伝えること | LPで確かめること |
|---|---|---|
| 対象者 | 誰の困りごとか | 利用対象・対応地域 |
| 商品 | 使う商品・プラン | 同じ商品の説明 |
| 条件 | 価格・期間・制限 | 適用条件の全文 |
| 行動 | 相談・予約・購入 | 同じ行動への入口 |
| その後 | 受け取れるもの | 送信後の案内 |
動画で省略する情報にも、掲載先を決める
短い動画に利用規約のすべてを読み上げる構成は現実的ではありません。ただし、利用できる人が限られる条件を落とすと、動画から受ける印象と実際の商品がずれるおそれがあります。どの条件を動画内で示し、どの詳細をページで説明するかを、商品と表現の確認担当者が決めます。
制作側へは、正式な商品資料と、台本の該当箇所をセットで渡します。「詳しくはWebへ」と表示すればすべての省略を補える、という前提にはしません。広告表現や業種に固有の確認が必要な場合は、社内の審査担当者にも見せます。この記事の照合表は制作の確認手順であり、表示の適法性を判定するものではありません。
ボタンの文言と、その先で起こることを合わせる
動画で「資料を見る」と案内したのに、遷移後すぐに商談予約が必要になると、視聴者の想定した行動と変わります。資料の閲覧に入力が必要なら、その条件を案内文とページで確認できるようにします。反対に、見積もり相談を案内する動画なら、問い合わせフォームで何を相談できるかを説明します。
ボタンを大きくする前に、文言を読んだ人が何を期待するかを書き出してください。クリック後の画面と送信後の案内まで続けて見ると、資料請求と予約が混ざっている箇所を見つけやすくなります。動画末尾の表示内容やURLの見せ方は、エンドカードの作り方で別に整理しています。
架空例で比べる、撮影前に直せる食い違い
ここでは、法人向けの備品管理サービスを紹介する架空の広告を使います。商品名、条件、会話は説明用で、実在するサービスや当社の制作実績ではありません。
台本案では、担当者が備品の所在を探して困り、同僚が管理画面を見せます。最後に「自社で使えるか相談する」と案内します。ところがLPは、個人利用の無料登録を主に案内し、法人の対応範囲や相談窓口を掲載していません。この場合、動画の台詞だけを整えても、法人担当者が確認したい内容はページに増えません。
制作前に取れる対応は、法人向けの相談ページを用意するか、動画が扱う利用場面と案内先を変更するかです。どちらを選ぶかは、今回獲得したい相談と、ページ改修に使える時間から決めます。LP担当者が対応範囲を確定できるまで、その説明が必要な台詞や画面収録の撮影を保留する判断もあります。
| 食い違う箇所 | 確認する担当 | 修正案の例 |
|---|---|---|
| 法人向けの台詞 | 商品担当 | 対応範囲を確定 |
| 個人登録への案内 | Web担当 | 法人相談への入口 |
| 完成動画の末尾 | 制作担当 | 確定した行動を表示 |
商品の条件が変わる場合は、差し替える場所を先に分ける
料金や対象期間を俳優の台詞で読み上げると、変更時に再収録が必要か検討することになります。字幕や末尾画面へ分けておけば編集で対応できる場合がありますが、元データ、音声の重なり、利用条件によって作業範囲は変わります。どちらの方法でも、条件を見落とさせない見せ方が前提です。
公開期間中に変更する可能性がある情報は、制作相談時に伝えてください。期限付きの商品なら、動画の配信を止める担当、ページを書き換える担当、再開前に双方を照合する担当も決めます。公開済みの内容を変える判断は、動画の商品情報が古いときの対応に続けてまとめています。
動画担当とWeb担当が別でも、同じ資料で確認する
発注側で、確定した台本、LPの確認用画面、商品資料、公開予定日を一組にします。制作会社へは古いページ、Web担当者へは修正前の台本を渡している状態を避けるため、確認する版と更新日をそろえます。
撮影前には、台詞と画面内の商品情報を商品担当者が確認します。編集初稿では、動画内の案内とLPのボタンを並べて確認します。公開前には、実際に設定するリンクから目的のページへ移動し、対象の商品と行動が一致するかを確認します。確認を分けるのは、撮影後にしか分からない表示の問題と、撮影前に決められる商品条件を混ぜないためです。
Googleはランディングページの説明で、情報の有用性や関連性、移動のしやすさ、広告をクリックした人の期待などを利便性の判断材料として挙げています。この説明を根拠に「同じ文言なら広告が安くなる」とは断定できません。本記事では、広告を見た人が必要な説明に進めるかを実際の画面で確かめるために参照しています。
広告配信を制作会社へ任せない場合は、最終URLの設定と配信開始を誰が担当するかも書きます。素材を納品したことと、正しいリンクで広告が出たことは別に確認する必要があります。動画を複数本納品する場合は、ファイル名とリンク先の対応表を添えます。
公開後は、クリックと問い合わせを分けて見る
再生が増えた、LPへのクリックが増えた、相談が増えた、という結果はそれぞれ別に記録します。広告管理画面のクリック数と、アクセス解析の訪問数は定義や処理条件が違うため、数が一致しないことだけでリンクの故障とは判断できません。
流入を見分ける方法の一つに、URLへUTMパラメータを付ける方法があります。Googleアナリティクスの公式ヘルプは、流入元やキャンペーンを区別する値と、クリエイティブを区別するutm_contentを説明しています。既存の広告連携や命名規則を確認したうえで計測担当者が設定し、制作側はどの動画とどの値が対応するかを記録します。URLに目印を付けるだけで、問い合わせの内容まで自動で分類できるわけではありません。
たとえば、LPへの訪問はあるのに相談が少ない場合は、必要な説明が見つかるか、ボタンの先で何を求めるかを調べます。問い合わせの受信が増えた場合も、発注相談、資料請求、採用応募、営業案内を分けます。総受信件数だけでは、動画が狙った相手から相談を得たか判断できません。
改善時は、変えた場所と比較条件を残す
動画、LP、配信対象を同時に変更すると、結果が変わっても要因を一つに絞りにくくなります。修正前後の版、配信期間、費用、対象者、母数を記録してください。誤った商品情報がある場合は先に訂正し、比較条件が変わったことを記録に残します。
観測数が少ないときは、増減率だけで成功・失敗を決めません。まず計測が動いているかと、意図した相手に配信されているかを確かめ、追加で観測する期間を決めます。比較案の作り方は動画広告のABテスト、目的から指標を選ぶ方法は広告のROI・KPI設計を参照してください。
公開直前に食い違いが見つかったときの戻し先
動画とLPの内容が一致しなければ、どちらを正しい情報へ直すかを商品担当に確認します。「先に完成した方に合わせる」という決め方では、古い条件を残す可能性があります。以下は、法人向けサービスの架空例を公開前に照合する判断表です。
| 見つかった違い | 先に確定する内容 | 修正を依頼する先 |
|---|---|---|
| 利用できる地域 | 現在の対応地域 | 商品担当から両担当へ |
| 相談と購入の混在 | 今回案内する行動 | 台本・Web担当 |
| 価格表示の相違 | 適用条件を含む正式価格 | 商品担当から両担当へ |
| 旧ページへ遷移 | 公開用URLと表示内容 | Web・配信担当 |
たとえば動画だけに古い地域名が残る場合は、画面文字の修正で済むか、出演者の台詞も録り直すかを分けます。追加収録の依頼が必要なら、公開予定日までの確認時間も見積もりへ入れます。LPの変更が先に完了しても、それだけで動画を公開できるとは扱いません。
発注窓口は、変更した文言、動画の採用版、LPの確認日時、最終URL、未解消の指摘を一組にして公開担当へ渡します。未確定の商品条件が残る動画の配信開始は保留し、修正後に動画からページ、送信後の案内まで確認します。すでに配信中なら、停止や差し替えの判断者へ該当箇所を連絡し、制作側だけで商品条件を決め直さないようにしてください。
よくある質問
動画専用のLPは必ず必要ですか?
既存ページで動画の対象商品、利用条件、次の行動を確認できれば、専用ページを新設しない方法もあります。最初に既存ページとの食い違いを洗い出し、改修するか新設するかを決めます。
台本が完成してからLPを作ってもよいですか?
ページの制作を後に進めることはできますが、対象者、商品条件、案内する行動は撮影前に合意しておくことを勧めます。未確定の価格や機能を台詞に入れて撮影すると、後の変更に再収録が必要になる場合があります。
LPの内容を動画と一字一句そろえますか?
表現の一致より、意味と条件の一致を確認します。動画で使う場面を見せ、LPで対象者や手順を詳しく説明する分担もできます。視聴者が別の商品や条件だと受け取らないかを、続けて見て確かめます。
クリックが増えれば動画とLPの改善は成功ですか?
クリックの増加は途中の変化です。発注相談を目的にする場合は、受信内容や相談の対象が合っているかまで確認します。配信先や予算も変えた場合は、その影響を分けずに改稿の効果と断定しません。
制作相談には、台本案とリンク先を一緒に渡す
まだ台本がなくても、紹介したい商品と予定するリンク先、相談・予約・購入のどれを案内したいかが分かれば、制作条件を整理できます。ページに未確定の項目がある場合は、その箇所と確認担当者を共有してください。
ナイトてんしょんでは、ショートドラマの企画・撮影・編集について相談を受け付けています。制作サービスで対応範囲を確認し、制作の相談窓口へ目的と公開希望時期をお知らせください。LPの改修や広告配信も必要な場合は、各担当の作業範囲を見積もり前に確認します。