動画の最後に出すエンドカードは、見た人にしてほしい行動を1つに決め、その行動に必要な情報だけを、読み切れる秒数で表示してください。ロゴ、URL、QRコード、キャンペーン条件、SNSアカウントを1枚に並べると、どれも読まれないまま動画が終わります。

エンドカードの中身は、制作会社が編集の最後に決めるものと思われがちです。実際には、どの行動を求めるか、URLを画面に焼き込むか、価格や条件の注記をどこに置くかは、発注側でなければ決められません。この記事では、企業の動画発注担当者に向けて、文言・秒数・リンクの置き場所を決める順番と、制作会社への伝え方を整理します。動画全体の構成を確認する段階の項目は動画制作の台本チェックで扱っています。

エンドカードで決めるのは「見た人の次の行動」1つ

エンドカードの役割は、動画を見終えた人を次の場所へ案内することです。案内先が2つ以上あると、見た人はどちらを選ぶかを考えるあいだに次の動画へ移ります。最初に、次のどれを求めるかを1つ選んでください。

求める行動エンドカードに入れるもの入れなくてよいもの
商品名を覚えてもらう商品名、ロゴ、短い一言URL、QRコード
検索してもらう検索してほしい語をそのまま長いURL
アカウントをフォローしてもらうアカウント名、続きがあることの一言公式サイトのURL
サイトや申込みページへ進んでもらう進む場所の名前、掲載先のリンク機能への案内複数のSNSアカウント
店舗やイベントへ来てもらう場所・日付など来場に必要な情報本編と関係のないロゴの羅列

迷ったときは、動画を公開した後に何の数字を見て成否を判断するかを先に決めます。サイトへの遷移数を見るなら、エンドカードはサイトへの案内に絞ります。指名検索の増加を見るなら、URLより検索してほしい語を大きく出すほうが目的に合います。

社内の複数部署から「ついでにこれも入れてほしい」と頼まれることもあります。その場合も、本編の内容と最もつながる行動を1つ残し、他の案内は投稿文やプロフィール、別の動画へ回してください。

何秒出すかは、文字量から逆算する

エンドカードの表示時間は、入れる文字の量で決まります。秒数を先に決めて文字を詰めると、読み切れない注記が残ります。

当社でショートドラマを編集するときは、締めの問いかけを縦書きで出すカードを末尾1秒、文字数は15文字前後・2列までに収めています。以前は3秒出していましたが、見返して長すぎると判断し、1秒に縮めました。一方、ブランド名と告知を3行で出すカードは1秒では読めないため、横組みにして2秒前後を取っています。同じ「最後のカード」でも、文字量が変われば必要な秒数が変わります。

ここに挙げた秒数は当社の編集基準で、どの動画でもこの長さで足りるという保証ではありません。見る人が動画を止めずに読み切れるかを、完成版を通して再生して確かめてください。担当者が文言を知っている状態で見ると、実際より短い秒数でも読めた気がします。文言を知らない社内の人に1回だけ見てもらうと、読めるかどうかを判断しやすくなります。

文字を減らすときに、意味が通らなくなるまで削らないことも大切です。当社では、縦書きで列が割れるのを避けようとして文言を詰め、意味の通らない一文にしてしまった失敗があります。それ以降、企画で決めた文言は削らず、列の切れ目を指定して原文のまま出しています。

関係を整理 行動を決めてから載せるものを選ぶ 求める行動 最後に出すもの 名前を覚える 商品名とロゴ 検索する 検索してほしい語 フォローする 続きがあると示す サイトへ進む リンク機能への案内
1枚に載せる行動は1つ。ほかの案内は投稿文などへ回す。

URLを画面に焼き込むかは、掲載先のリンク機能で決める

縦型のショート動画では、画面に表示したURLを見た人がそのまま押せるわけではありません。URLを焼き込むかどうかは、掲載先にどんなリンク機能があるかを確認してから決めます。

YouTubeの横型動画には、動画の最後に動画・再生リスト・チャンネル登録などの要素を置ける「終了画面」があります。YouTubeヘルプの終了画面の説明では、動画の長さが25秒以上必要で、終了画面は最後の5〜20秒に追加できるとされています。16:9の動画では最大4つの要素を置け、それ以外の比率では置ける数が少なくなる場合があります。外部サイトへの要素はYouTubeパートナープログラムの参加者に限られ、子ども向けに設定した動画では終了画面を使えません。2026年10月6日に確認した内容です。

終了画面を使う場合、要素が重なる最後の数秒に、エンドカードの文字を置かないよう制作会社に伝えてください。押せる要素の下に文字が隠れると、どちらも読みにくくなります。

YouTubeのショート動画には、別の仕組みとして関連動画を設定できます。ショート動画に関連動画を追加する方法によると、公開または限定公開の動画を選ぶと、視聴者側ではチャンネル名の下に押せるリンクが表示されます。この機能を使えるのは上級者向け機能にアクセスできるユーザーです。ショート動画から長尺の説明動画へ案内したいなら、画面の文字より、この設定を使うほうが見た人の手間が少なくなります。

他のSNSでも、プロフィールや投稿文など、押せるリンクを置ける場所は掲載先ごとに違います。仕様は変わることがあるため、公開前に投稿担当が実際の画面で確かめてください。押せる場所がプロフィールにしかないなら、エンドカードには「プロフィールのリンクから」のように進む場所を書き、URLそのものは載せない判断もあります。誰が投稿作業と設定を担当するかは、動画の投稿は誰がやるかで整理しています。

画面にURLやQRコードを出す場合

展示会の会場モニター、店頭のサイネージ、説明会のスライドのように、見た人が手元のスマートフォンで読み取る場面では、画面上のURLやQRコードが役に立ちます。この場合は、短いURLを用意し、文字の大きさと表示秒数を、その場で読み取れるかで確かめます。QRコードは、実際の距離から手元の端末で読み取れるかを試してから入稿してください。

URLを焼き込んだ動画は、リンク先のページを移転すると作り直しが必要になります。キャンペーンページのように公開期間が決まっているページへ案内する場合は、動画を出し続ける期間と、ページを残す期間をそろえておきます。リンク先の変更に備えて、エンドカードだけ差し替えられる形で編集データを残してもらうよう、発注時に伝えておくと手戻りが減ります。会場で流す動画の確認項目は展示会動画の外注でも扱っています。

価格や条件の注記は、最後の画面だけに寄せない

広告動画で「初回無料」「最大◯%オフ」のような強い表示をするなら、条件の注記をどこに、どれだけの時間出すかを確認してください。エンドカードに条件をまとめて出すと、本編で見た強い表示と、最後に出る小さな条件が別の画面に分かれます。

消費者庁が2017年7月14日に公表した打消し表示に関する実態調査報告書では、調査で集めた動画広告のうち、打消し表示の表示時間が2秒以下のものが42.4%ありました。15秒の動画広告で強調表示のあとに別の画面で打消し表示を2秒出した表示例では、強調表示に気付いた回答者の79.8%が打消し表示を見落としています。報告書は、強調表示と打消し表示が別の画面に出る場合や、強調表示だけが音声でも流れて打消し表示が文字だけの場合を、問題となる表示方法として挙げています。

この調査は表示方法の傾向を示したもので、個別の動画の適否を判断する基準ではありません。それでも、エンドカードの隅に小さく条件を添える作り方が見落とされやすいことは、この結果から読み取れます。条件の注記は強い表示と同じ画面に出し、読める大きさと時間を確保できるかを、台本の段階で制作会社と確認してください。動画内でPRであることを示す表示については広告動画のPR表記で整理しています。

本編のテロップを減らし、最後の1か所に集める

エンドカードを読んでもらうには、本編の途中で文字の案内を出しすぎないことも必要です。本編の途中で商品名やURLのテロップを何度も出すと、最後のカードが出るころには、見た人は文字を読む気をなくしています。

当社のショートドラマ編集では、台詞の字幕以外のテロップを本編の途中に入れず、伝えたい言葉はラストのエンドカードに集めています。台詞の字幕と横長のテロップが重なると、同じ画面に文字が二重に出て、説明の多い画面になるためです。企画書の段階で「途中にテロップを入れる」指定があっても、文言が本当に必要なら最後のカードにまとめる案を出しています。

広告として配信する動画では、媒体の規定やPR表記のように、本編中に入れなければならない表示もあります。その表示は削らずに残し、エンドカードは「最後に何をしてほしいか」の案内に絞ります。字幕の作り方は動画字幕の外注方法で扱っています。

エンドカードの文言は、本編の続きとして書く

エンドカードを「ご購入はこちら」のような定型文で締めると、ドラマの余韻から急に売り場へ連れて行かれた印象が残ります。本編を見た人が自然に次の行動へ移れる文言を、本編の続きとして書いてください。

当社がドラマの締めに使う縦書きのカードは、本編の内容から問いかけの形で書くことが多く、説教のような言い方は避けています。たとえば「その3人は、少ないですか?」のように、見た人が自分のことに置き換えて考えられる一文にします。縦書きで数字を使うときは全角にしています。半角の数字は縦書きの中で横に寝て見えるためです。

ブランド名やサービス名を出す告知のカードでは、1行目に最も伝えたい言葉を大きく置き、2行目以降を段階的に小さくします。3行を同じ大きさで並べると、どこから読めばよいかが分からなくなります。

流れをつかむ エンドカードを決める順番 1 行動を1つ選ぶ 公開後に見る数字も決める 2 置き場所を確かめる 掲載先のリンク機能 3 文言と秒数を決める 文字量から秒数を逆算 4 通して再生する 文言を知らない人が読めるか
秒数を先に決めて文字を詰める順番にしない。

制作会社には、決めたことを1枚にまとめて渡す

エンドカードの指定は、編集が終わる直前に口頭で伝えると、作り直しになりやすい項目です。台本を確認する段階で、次の内容を1枚にまとめて制作会社へ渡してください。

伝える項目書き方の例
求める行動サービス名で検索してもらう
掲載先と比率YouTubeの横型、ショート動画、会場モニター
載せる文言確定した文言。列や行の切れ目の希望
画面に出すリンク出さない、短いURLを出す、QRコードを出す
掲載先の機能で設定するもの終了画面、関連動画、投稿文のリンク
必ず入れる注記価格・条件の注記、PR表記、出す場所
ロゴ・書体の指定支給データの場所、使用の決まり
差し替えの可能性リンク先や日付が変わる予定の有無

当社では、URLやLINEのIDを動画に焼き込むかどうかを、制作側だけでは決めず、必ず発注側に確認しています。動画が残り続ける限りそのURLも出し続けることになり、対外的な判断になるためです。確認が取れないまま編集を終える場合は、URLを入れず、問いかけの一文だけで締めています。

広告・採用・営業の資料など、同じ本編を別の用途にも使う予定があるなら、エンドカードだけ用途別に作り分けるかも決めておきます。転用の前に確かめることは制作した動画の使い回しで扱っています。縦型と横型を同時に作る場合は、比率ごとにカードの組み方が変わるため、縦型・横型動画を同時に発注するにはもあわせて確認してください。

よくある質問

エンドカードは何秒が適切ですか?

一律の正解はなく、入れる文字の量で決まります。当社の編集では、短い問いかけのカードを1秒、3行の告知カードを2秒前後にしていますが、これは当社の基準です。文言を知らない人に完成版を通して見てもらい、止めずに読み切れるかで確かめてください。

ショート動画にURLを入れても意味はありませんか?

画面に出したURLは押せないため、見た人は書き写すか検索する必要があります。会場や店頭など、別の端末で読み取ってもらう場面では役に立ちます。SNS上で見てもらう動画なら、掲載先のリンク機能やプロフィールへの案内を先に検討します。

エンドカードにロゴとSNSアカウントを全部並べたいと言われました。

並べること自体はできますが、見た人が次に何をすればよいかが伝わりにくくなります。公開後に何の数字で成否を判断するかを社内で確認し、その数字に結びつく行動を1つ残す案を出してください。残りの案内は投稿文やプロフィールへ回せます。

キャンペーンが終わった後も動画を出し続けられますか?

エンドカードに期間や条件を焼き込んでいる場合は、終了後に誤解を招かないよう差し替えや非公開を検討します。差し替えに備えて、エンドカードだけ書き出し直せる編集データを残してもらうよう、発注時に伝えておいてください。

相談時には、動画の掲載先と求める行動を添えてください

ナイトてんしょんへショートドラマや動画の制作を相談する際は、掲載先と、見た人にしてほしい行動をお知らせください。エンドカードの文言や秒数、リンクの置き場所を、本編の構成と合わせて提案します。動画制作の相談をする

参考資料

・YouTube:動画に終了画面を追加する(2026年10月6日確認)

・YouTube:YouTube ショート動画に関連動画を追加する(2026年10月6日確認)

・消費者庁:打消し表示に関する実態調査報告書(2017年7月14日公表)(2026年10月6日確認。数値は同報告書の概要より)