Z世代に向けたショートドラマ広告は、届けたい人と、視聴後にしてほしい行動を決めてから制作します。SNSの利用率や購入経験の調査は企画の参考になりますが、自社商品の売上を保証する値ではありません。この記事では、調査の対象と時期を確かめたうえで、登場人物・商品が出る場面・遷移先を決め、公開後の効果を検証する手順を整理します。
Z世代向け広告は「誰の、どの場面」を描くか決める
年齢に加えて生活場面を絞る
「Z世代」という呼び方だけでは、動画の台詞や商品の見せ方は決まりません。学校へ通う人、就職活動中の人、働き始めた人では、同じ商品について知りたいことが違います。自社の購入者や相談者から確認できる情報を使い、誰がどんなときに困るのかを一文にします。
たとえば採用動画なら、「就職活動中の学生が、入社後に先輩へ質問できるか不安を感じている」という設定を考えられます。職場の会話を通して質問への対応を見せ、仕事内容を確認できる採用ページへ案内します。これは企画を説明する仮の例です。実際に使うときは、その描写が自社の働き方と一致するかを採用担当者が確認してください。
認知・検討・応募で動画の着地点を変える
| 目的 | 動画で答える問い | 視聴後に用意する情報 |
|---|---|---|
| 商品を知ってもらう | どんな困りごとに使うものか | 商品名と使い方が分かるページ |
| 比較検討してもらう | 自分の条件に合うか | 仕様・料金・利用条件 |
| 店舗へ来てもらう | その店で何を体験できるか | 場所・営業時間・予約方法 |
| 採用応募を増やす | どんな仕事や人間関係なのか | 募集条件・仕事内容・応募方法 |
再生数を目標にする場合にも、商品名が伝わる場面と次の情報への導線を決めておきます。出演者の印象だけが残る構成なら、商品が役立つ場面を補う案を検討します。動画制作と公開後の運用の範囲はショートドラマ制作サービスで確認できます。依頼時には「若者に広めたい」を、上の表のどの目的に当たるかまで具体化してください。
調査データから分かることと、確認できないこと
SNS利用率は広告の購入率とは違う
サイバーエージェント次世代生活研究所の2025年SNS利用率調査は、2025年10月17〜19日に実施したインターネット調査です。全国17〜60歳の男女2,884人のうち、17〜28歳の1,236人をZ世代として集計しています。年齢区分と調査時期を記したうえで、届けたい相手が利用する媒体を検討する資料に使えます。
この調査が尋ねるのはSNSの利用・認知です。特定の企業の動画を見た割合、ショートドラマ広告の購入率、広告による売上増分は測っていません。自社で使う媒体を選ぶときは、既存のアカウントの視聴者構成と、自社サイトへ移動した人の行動も確認します。2026年の施策資料へ引用する場合にも、調査年を2026年へ置き換えないでください。
購入経験43.9%は、女性215人の回答
Z総研が2023年12月16〜17日に実施し、2024年6月に公表した調査では、女性215人の43.9%が、TikTokショートドラマ広告をきっかけに商品購入・サービス利用をした経験があると回答しています。対象の内訳は17歳以下135人、18〜22歳68人、23〜25歳12人です(調査主体N.D.Promotionの発表、2026年9月19日確認)。
この数字は回答者の過去の経験です。「広告を見た人の43.9%が購入する」という広告の成約率として見積書や稟議書へ入れないでください。男性を含むZ世代全体、2026年の購入行動、他の広告形式との優劣も、この調査だけでは判断できません。
調査を社内資料へ載せるときは、数値の横に対象・調査時期・質問内容・出典URLを書きます。出典の発表年と実際の調査年が違う場合は両方残してください。対象が自社の顧客と異なるなら、直接の需要予測には使わず、試す企画の仮説として扱います。
ショートドラマの企画へ落とす方法
冒頭で人物の状況が伝わるかを見る
採用担当者が伝えたい会社説明をすべて冒頭へ入れると、登場人物が何に困っているのかが後ろへ回ることがあります。最初の台詞と画面で、誰が、どんな状況にいるのかを理解できるか確認してください。流行の言葉を入れる前に、その人物が実際に言いそうな台詞かを読み合わせます。
仮の採用企画なら、仕事の進め方が分からない新人の表情から始める案と、先輩に質問する台詞から始める案を用意できます。比較の対象を冒頭に絞るなら、その後の商品・職場の説明と案内先をそろえます。媒体や配信条件も変えた場合は、どの変更が影響したかを分離できないと記録してください。台本の整理にはショートドラマの脚本の書き方を使えます。
商品を出す場面と、詳細を案内する場面を決める
商品を持つ人物が映るだけでは、使う理由が伝わらない場合があります。登場人物の困りごとと商品の役割がつながっているかを、台本で確かめます。映像に盛り込めない仕様や利用条件は、遷移先で読めるようにします。
| 台本で確認するもの | 仮の記入例 | 発注側の確認 |
|---|---|---|
| 登場人物 | 新人と先輩 | 実際の採用対象と合うか |
| 困りごと | 作業の進め方を質問できずにいる | 自社の現場と食い違わないか |
| 見せる場面 | 先輩が手順を一緒に確認する | 働き方を過度によく見せていないか |
| 次に見る情報 | 募集職種の仕事内容 | 公開中の募集内容と一致するか |
表は企画説明用の架空例で、当社の顧客事例や効果実績ではありません。商品・サービスの表現を決める場合には、裏付けのない効能や約束を台詞へ入れないよう、担当部署が確認します。物語にしたことを理由に、広告であることや利用条件の表示を省略しないでください。
媒体を決めるときは視聴者と案内先を確認する
TikTok、Instagram、YouTube Shortsのどれを使うかは、届かせたい相手と、運用できるアカウント、案内先で選びます。「TikTokなら認知、Instagramなら購入」と役割を固定せず、自社の視聴者データと、リンク先で取れる行動を照合してください。
既存アカウントがある場合は、最近の投稿で届いた年齢層・地域と、保存・共有・プロフィールへの移動など、管理画面で確認できる値を調べます。ただし、媒体ごとに指標の定義は異なります。別媒体の再生数を単純に足して、同じ人数へ届いたと報告しないようにします。
| 確認する条件 | 発注前に決めること |
|---|---|
| 公開先 | 自社アカウント、広告配信、制作会社のアカウントのどれか |
| 視聴者 | 対象の年齢・地域・生活場面 |
| 画面 | 字幕や商品表示が操作ボタンと重ならないか |
| 案内先 | 商品・採用・予約のどのページへ進んでもらうか |
| 運用 | 投稿担当、コメント対応、計測の担当 |
複数の媒体へ出すなら、字幕や画面内の案内を実機で確認し、各媒体の公開画面へ合わせます。広告の仕様・制限は変わるため、入稿前に媒体の最新資料を確認してください。動画を複数媒体へ使う条件は、制作依頼時に共有しておくと納品物の範囲を決められます。
効果検証は再生・遷移・問い合わせを分ける
動画が見られた結果を確認する
公開後は、再生数と視聴維持を記録し、途中で視聴が減った箇所の映像を見返します。グラフから分かるのは、その秒数付近で視聴が減ったことです。退屈したのか、内容を理解して離れたのかまではグラフだけで決まりません。該当する台詞、画面の情報量、商品が出る位置から原因の候補を考えます。
保存や共有も行動の記録です。保存した理由や後日の購入までは確定できないので、「購入意欲が高まった人数」と読み替えません。投稿ごとの尺、公開日、広告配信の有無を残し、条件が近いものを比較してください。1本だけの反応が少ない場合は、表現の成否を急いで決めないようにします。
サイトと問い合わせの結果を別に記録する
| 観測するもの | 記録する値 | その値だけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 動画 | 再生・視聴維持・反応 | 商品購入や問い合わせの増分 |
| サイト訪問 | 対象ページのセッション | 全員が動画を見たか |
| ボタン | 問い合わせ・予約のクリック | 送信完了や実受信 |
| 受付 | フォーム受付・実受信 | 全件が制作の相談か |
| 商談 | 相談の内容分類・受注 | 動画だけが決め手だったか |
自社サイトの問い合わせボタンのクリックは、相談が届いた件数と分けて記録します。テスト操作や同じ人の繰り返しも入るためです。アクセス計測と受付台帳を照合するときは、期間、対象ページ、イベント定義をそろえ、個人情報を日報へ転記しない運用にします。計測の設計はショートドラマ広告のROI・KPIで詳しく扱っています。
初回発注で決めておく検証計画
ナイトてんしょんへ制作を依頼する際には、今回確かめたい問いを企画書に添えてください。たとえば「職場の会話を見せると、仕事内容のページを読んでもらえるか」という問いなら、動画と遷移先を一緒に準備できます。当社の制作・運用サービスと照らし合わせ、撮影だけを依頼するのか、公開後の確認も含めるのかを決めます。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 検証する問い | 誰に何が伝わるか、どの行動につながるか |
| 変更箇所 | 冒頭の台詞、商品の登場場面、案内の位置など |
| そろえる条件 | 媒体、対象者、動画尺、配信期間・予算 |
| 取得する値 | 動画の反応、サイト遷移、実受信など |
| 確認日 | 各指標の反映と商材の検討期間を考えた日付 |
| 判断を保留する条件 | 取得失敗、条件の不一致、比較材料の不足 |
同時に多くの箇所を変えた場合も、その変更を記録しておけば次回の判断材料になります。ただし、結果がよくなったことだけを理由に、特定の台詞の効果だと決めつけないでください。発注の条件整理には企画書の作り方、予算の確認にはショートドラマ制作の費用も使えます。
よくある質問(FAQ)
Q1. Z世代にはショートドラマ広告が必ず効きますか?
必ず効果が出るとは言えません。対象者、商品、企画、配信条件によって結果が変わります。調査を仮説の材料にし、自社の動画から遷移や問い合わせにつながったかを確認します。
Q2. 購入経験43.9%を広告の成約率として使えますか?
使えません。Z総研の2023年12月調査で女性215人が過去の経験を答えた値です。1本の広告を見た人数を分母とする購入率や、広告による売上増分とは異なります。
Q3. Z世代向けならTikTokに出せばよいですか?
対象者が利用する媒体と、既存アカウントの視聴者、遷移先を確認して決めます。SNSの利用率が高いことだけでは、自社商品の広告効果までは分かりません。
Q4. 再生数が伸びたのに問い合わせが増えないときは?
対象者に届いたか、商品の役割が伝わるか、遷移先に必要な情報があるか、ボタンと受付が動くかを順に確認します。再生数だけで失敗原因を決めず、取得できた値と不明点を分けます。
Q5. 何本作れば効果を判断できますか?
一律の本数は決められません。商材の検討期間、配信量、比較したい差、計測できる指標によります。変更内容と条件を記録し、比較材料が不足する場合は判断を保留します。
Q6. 制作会社に最初に何を伝えればよいですか?
届けたい人、伝えたい商品・職場の情報、希望する行動、公開先、予算と公開希望日を伝えます。まだ決まっていない項目も、そのまま相談できます。
相談前に、届けたい相手と次の行動を書く
まず「誰が、どんな場面で困っているか」と「見た後に何をしてほしいか」を一文ずつ書いてください。既存動画があれば、そのURLと確認したい指標も添えます。ショートドラマ制作について相談するから、目的と未定の条件を共有できます。