ショートドラマを15秒に短くするときは、残す出来事を決め、人物の行動がつながる範囲で組み直します。完成した60秒版の途中を削るだけでは、登場人物が何に迷い、なぜ行動を変えたかが抜ける場合があります。発注側は、短縮版を使う目的、残したい場面、必須の商品情報を制作会社へ渡してください。
例えば、贈り物を渡すか迷う話なら、友人との長い相談を削り、渡しかけて手を止める動作と、相手へ差し出す結末を残す案があります。短くなっても、その人が何を選んだかは見せられます。一方、商品の利用条件まで切ってしまえば、別の意味の広告になりかねません。
この記事は、既存のドラマから広告やSNS用の短縮版を発注する担当者向けです。15秒は説明用の納品条件で、各媒体に共通する推奨尺ではありません。掲載先で使える尺や表示条件は発注時に確認します。以下の構成例は当社編集部が作成した架空例で、実案件の成果や標準の編集料金を示すものではありません。
短縮版で完結させるか、本編へ案内するかを決める
短い動画だけで出来事を伝えたい場合と、本編を見てもらいたい場合では、残す場面が変わります。前者では、人物の迷いと決着を短い中に置きます。後者では、本編を見れば何が分かるかが伝わる場面を選び、続きの見つけ方を案内します。
「短いほうが最後まで見てもらえる」という理由だけで決めると、何を覚えてほしい動画なのかが曖昧になります。商品の使い方を知ってほしいのか、人物の選択を楽しんでほしいのか、制作相談へ進んでほしいのかを先に整理します。本編への移動が目的なら、短縮版の再生数に加え、案内先へ進んだ行動を別に確認してください。
完結版では、人物の行動の理由を残す
贈り物を差し出す画だけを抜き出しても、視聴者には、それが謝罪なのか、お祝いなのか、普段のお礼なのか分かりません。説明の台詞をすべて残す必要はありませんが、行動の意味を読み取れる手がかりは必要です。最初に映る物、相手を見る表情、短い呼びかけなどで伝える案を検討します。
初稿では、本編を見ていない人に短縮版だけを見てもらい、誰が何をしようとしていたかを聞きます。分からなかった場合は、すぐに字幕で説明を足す前に、必要な画が削られていないかを確認してください。最終場面の作り方は結末と商品の案内を設計する記事でも扱っています。
本編への案内では、視聴先を確認する
本編へ誘導するなら、投稿文のリンク、プロフィール、関連動画など、実際に使える案内方法を確認します。媒体や投稿形式によって操作が変わるため、「続きはこちら」と入れた画面だけで公開準備を終えないようにします。
本編のURLが公開済みか、限定公開なのか、公開予定日が短縮版より後なのかも共有してください。まだ本編を見られない状態なら、視聴先がない案内を出さないよう日程や文言を調整します。短縮版から別の動画へ誘導する方法が目的に合うかも、配信担当者と一緒に確認する事項です。
架空の60秒版を、残す出来事から15秒へ組み直す
ここでは、主人公が贈り物を渡すまでの話を例にします。元の構成は「店で選ぶ」「友人へ相談する」「相手を待つ」「渡す」という流れです。短縮版の目的を「渡すのをためらった主人公が、自分から差し出す変化を伝える」と置いた場合、店頭の比較や友人との相談を省く案が考えられます。
| 元の場面 | 短縮版での扱い | 残す理由・省く条件 |
|---|---|---|
| 店で商品を選ぶ | 省く案 | 選んだ理由が本筋に不要なら省ける |
| 友人へ相談する | 動作へ置き換える案 | ためらいが手や表情で伝わるか確認 |
| 相手を待つ | 必要な画を残す | 誰へ渡すのかが分かる |
| 贈り物を渡す | 結末として残す | 主人公の選択を見せる |
この表は採用するカット数や秒数を確定したものではありません。実際の演技、台詞の長さ、必須表示を入れて再生し、15秒へ収まるかを確認します。表で残すと決めた場面でも、素材がなければ追加撮影や別の構成を検討することになります。
ナイトてんしょんが当記事で提案するのは、短縮前後の台本を並べ、削る台詞が担っていた情報を一つずつ確認する方法です。台詞を削っても同じ情報が画面で伝わるなら、重複を減らせます。削った結果、相手が贈り物を受け取る理由が分からなくなるなら、必要な手がかりを戻します。再生速度を上げて全部を詰め込む前に、この比較を行ってください。
商品が映る長さを短くした場合は、パッケージを識別できるか、使い方や条件を誤って受け取らないかも見ます。人物の感情が伝わる確認と、商品情報の正確さの確認は担当を分けて返答すると、何が未決定かを整理できます。
完成動画しかない場合と、編集データがある場合を分ける
再編集の見積もりでは、支給できる素材を具体的に伝えます。完成したMP4だけなのか、編集プロジェクトと元映像があるのか、音声や字幕を別に扱えるのかによって、できる変更が異なります。元データの所在が分からなければ、その状態で相談してかまいません。
完成動画だけなら、消したい要素を先に伝える
字幕やロゴが焼き込まれた動画では、その部分をきれいに取り除けるとは限りません。台詞とBGMが一つに混ざっている場合も、片方だけの調整に制約があります。短くする区間と同時に、残す字幕、差し替える案内、変えたい音を伝え、実物を見てもらって対応範囲を確認します。
例えば、友人の台詞を削った箇所で音楽が急に切れるなら、音のつなぎ方も再編集に含まれます。字幕が途中で消えるなら、文字の表示時間を調整できる素材があるかを確認します。完成動画の切り出しだけで済むかは、長さだけでは判断できません。編集のみを外注する際の支給素材も合わせて整理してください。
編集プロジェクトは、開ける状態かを確かめる
プロジェクトファイルがあっても、元映像やフォントなどが不足すると同じ画面を再現できない場合があります。使用ソフト、バージョン、参照する素材の有無を制作側へ伝え、必要な部分を開いて確認できるか相談します。保管先への権限だけ渡して完了とせず、受領できたファイルと不足分を返答してもらうと、その後の作業を決められます。
別の会社が制作した素材を使う場合は、再編集や広告利用が許諾範囲に入るかも確認してください。出演者、音楽、画像などの条件は、元動画を持っていることだけでは確定しません。具体的な確認項目は出演者契約と二次利用へ整理し、利用条件に関する判断は契約資料を確認できる担当者へ渡します。
見積もりには、短縮する本数と変更内容を渡す
依頼書には、元動画、希望尺、納品する版の数、公開先、変更する文字や音を記載します。「60秒を15秒にする」だけでは、単純なカットか、物語の組み直しかが伝わりません。次は、当社編集部が制作現場へ渡す情報を整理するために作成した記入例です。一本のドラマを再編集する架空の依頼で、実際の受注記録ではありません。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 支給するもの | 完成MP4、台本、使用できる元素材の一覧 |
| 納品物 | 15秒の縦型一本。字幕あり版 |
| 残す内容 | ためらう動作と、贈り物を差し出す結末 |
| 変更する内容 | 途中の会話を省き、最後の案内を更新 |
| 必須の条件 | 商品担当が承認した表示を残す |
| 確認の方法 | 構成案を先に確認し、その後に編集初稿を見る |
構成案の比較を二つ求める場合、両方を完成させるのか、台本だけを比べて一つに絞るのかを伝えます。字幕のない版や別の画角も必要なら、納品物として最初に数えてください。料金は元動画の尺に単純比例すると決めず、素材確認と変更範囲に基づく見積もりで確認します。
JAC映像制作ガイドライン(5団体『広告制作ガイドライン』の補完版・2025年10月)では、編集の修正内容・回数・時期を事前に決め、仕様変更時にはスケジュールを調整する考え方が示されています。当社がこの記事で案内する依頼表も、作業を始める前に合意内容を確認するためのものです。
短縮できるかの判断から依頼する場合は、ショートドラマ制作の相談窓口へ元動画と公開先、希望尺、残す必要のある情報をお知らせください。素材が不足している段階では、不足を明記して対応方法を相談できます。
初稿は、短縮版だけを通して見る
元動画を知っている人は、省いた情報を頭の中で補ってしまいます。初稿は短縮版だけで再生し、最初に誰が映り、何を望み、最後に何をしたかを確認します。特に、会話の途中から始めたため話し相手が分からない、結末だけ残して感情の変化が飛んだ、といった箇所を見直してください。
字幕と音も別に確かめます。台詞を切った結果、文章が途中で終わっていないか、音楽の切り替わりが不自然でないか、商品条件を読む時間が残っているかを確認します。修正依頼には、対象の版、該当する時間、読み取れなかった内容を記録してください。「テンポが悪い」だけより、制作側が直す箇所を検討できます。
納品時には、本編と短縮版を区別するファイル名と、公開に使う版を指定します。古い初稿を配信しないための確認は動画の版管理にまとめています。掲載画面の文字やボタンと重なる部分は、配信担当者が実際の表示で点検します。
公開済みのYouTube動画を直接編集する場合は、別ファイルの短縮版を作る依頼と区別してください。YouTubeの公式ヘルプでは、Studioで保存した編集を元へ戻せないと案内しています。今回確認したのは2026年10月21日の説明です。元ファイルを保管したうえで、既存動画へ変更するか、新しい短縮版として扱うかを担当者間で決めます。
公開後は、視聴と案内先への行動を別に確認する
15秒版と60秒版では長さが違うため、最後まで再生された割合だけで優劣を決められません。公開先、配信対象、広告予算、期間の違いも記録します。短縮版で商品が判別できたか、本編や商品ページへ進んだか、問い合わせが届いたかを、取得できる指標で分けて見ます。
視聴維持率に山があっても、好評で繰り返し見られたと断定しないようにします。YouTubeの視聴者維持率の説明は、分かりにくくて再視聴される可能性も示しています。削った場面の前後へ戻って見られているなら、人物の行動が伝わっているかを確認する仮説になります。
問い合わせボタンのクリックと、フォーム送信、実際の制作相談は別の数字です。記事や動画の閲覧が少ない場合、短縮による効果は保留し、比較する期間と次回確認日を残します。短縮版の本数を増やしたこと自体を成果にせず、発注時に決めた目的へ進めたかを確かめてください。
短縮版の発注でよくある質問
完成動画があれば、必ず15秒版を作れますか?
素材の中から切り出せても、物語や必須の商品情報が15秒で伝わるとは限りません。残す内容と素材を制作会社へ渡し、構成の変更や追加素材が必要か確認してください。
短縮版は元動画の修正回数に含まれますか?
契約や見積もりの範囲によります。別の納品物としての作成か、合意済み初稿の修正かを確認し、作業に入る前に費用と納期を決めます。
台詞を早送りすれば短くできますか?
尺は短くできますが、聞き取りや演技の印象が変わります。先に重複した説明や不要な場面を整理し、必要な台詞と表示を通常の視聴で理解できるか確かめます。
本編と短縮版を同時に発注できますか?
最初から納品物に含めて相談できます。短縮版で残す場面や案内を企画段階で共有すると、必要な別カットも撮影の検討に入れられます。対応範囲と本数は見積もりで確認してください。