日本語で作ったショートドラマを、海外の顧客にも見てもらいたい。外注先へ動画を送る前に、誰に、どの媒体で、何語で伝えるかを決めてください。字幕を追加するのか、声を吹き替えるのか、映像の中の日本語も直すのかで、必要な素材と確認工程が変わります。
最初に作るのは「言語ごとの納品一覧」です。英語版という名前だけで依頼せず、字幕ファイル、字幕入り動画、吹替音声、翻訳した投稿文のうち何を受け取るかを書きます。その横に、翻訳内容を確認する人と公開操作をする人を置く。ここが空欄なら、完成後に誰も正しさを判断できないまま止まります。
本記事は、企業が既存の動画を多言語化する際の発注手順を提案します。海外市場全体の選び方はインバウンド向け動画の活用、再利用の範囲は制作動画の二次利用で扱います。媒体の仕様は2026年9月12日にYouTube公式資料を確認しました。
字幕・吹替・画面内文字を別々に選ぶ
音声を残す字幕版か、声で伝える吹替版か
出演者の日本語の声や会話の間を残したいなら、翻訳字幕を付ける方法から検討します。音声で商品説明を理解してもらいたいなら、吹替版を候補にします。どちらが合うかは、見る場面と物語の伝え方で決めます。音を出しにくい場所での視聴を想定する場合には、吹替を付けても字幕や画面内の説明が必要かを確認してください。
字幕には、視聴者が表示を切り替えられる字幕データと、映像へ文字を組み込んだ完成動画があります。依頼書には両者を区別して書きます。後から商品名の訳を直す予定があるなら、編集可能な原稿と字幕データも納品対象にするか相談します。完成動画だけを受け取る条件では、元の文字を修正する作業が別途必要になることがあります。
画面に残る日本語まで翻訳対象にする
セリフを訳しても、スマートフォン画面、商品パッケージ、最後の案内が日本語のまま残る場合があります。映像を止めながら、購入や予約に必要な文字を拾ってください。背景の看板まで全て直すのか、物語の理解と行動に必要な文字に絞るのかを、発注者が決めます。翻訳対象の一覧があれば、外注先も編集の範囲を見積もれます。
たとえば登場人物がスマートフォンのメッセージを読んで驚く場面では、そのメッセージが物語の原因です。セリフだけ訳しても驚いた理由が伝わらないなら、画面内文字の変更か説明字幕を検討します。これは説明用の想定例です。当社の実案件としての成果や、字幕追加による再生数の改善を示すものではありません。
見積もりは言語数と作業範囲をそろえて比べる
「翻訳込み」の内訳を納品物に置き換える
原稿の翻訳、訳文の確認、字幕の表示時間調整、映像への文字入れ、音声収録、公開作業を分けて確認します。翻訳した文章を受け取る契約と、投稿できる完成動画を受け取る契約では、発注側に残る仕事が違います。見積書に「英語対応一式」とあったら、何が含まれるかを納品一覧へ書き直してもらうと、他社の提案とも比較できます。
吹替を頼む場合は、原音の声を除ける素材があるかも確認します。声とBGMが混ざった完成動画しかないなら、制作側が可能な処理と仕上がりの制約を判断する必要があります。音声の分離や口の動きとの一致を当然の前提にせず、対象素材で実現できる範囲を先に聞いてください。元データの受け渡しは動画の納品データに整理しています。
| 依頼する作業 | 納品物として確かめるもの |
|---|---|
| 翻訳 | 日本語原稿と対応が分かる訳文 |
| 翻訳の確認 | 担当範囲、修正済み原稿、確認履歴 |
| 字幕の時間調整 | 開始・終了時刻付き字幕ファイル |
| 字幕の映像化 | 指定言語の字幕が入った完成動画 |
| 吹替 | 承認済み訳文による音声と完成動画 |
| 画面内文字の変更 | 対象箇所を反映した映像と修正一覧 |
| 投稿文の翻訳 | タイトル、説明文、リンク先の案内 |
| 公開作業 | 公開先URLと言語設定の確認記録 |
修正が増える条件を契約前に書く
日本語の台本が変わると、訳文、字幕の時間、収録済みの音声にも変更が及びます。発注後の商品名変更や動画の尺変更を、最初の翻訳確認と同じ修正として扱うかは、契約前に決めてください。追加費用の有無を、一般的な相場から推測する必要はありません。原稿が確定する日と、各工程の確認期限をもとに外注先へ聞きます。
ナイトてんしょんの公開制作プランは、POVショートドラマ制作が4万円/本〜・3本以上です。この自社料金と、多言語化の追加見積もりは分けて扱います。当社への相談でも、制作費と翻訳・収録・確認の希望範囲を分けて伝えてください。未提示の言語別料金や納期を本記事で設定せず、必要な作業をそろえて個別に確認する形にします。
翻訳前に原稿・用語・使える範囲を渡す
正式な商品名と変更できない条件を決める
動画の聞き取りだけに頼らず、最終版の日本語台本を渡します。商品名、店名、人名、略語には正式な表記と読み方を添え、訳してよい語と原語のまま残す語を区別します。価格、提供地域、予約条件は発注側が正解を示す項目です。言語として自然な表現でも、商品の条件が変わっていたら公開できません。
用語表には「原語・採用する訳・使わない訳・根拠資料」を設けると、シリーズ内の表記をそろえやすくなります。シリーズ途中で訳を変更した場合には、過去の字幕にも変更が必要かを判断します。機械翻訳の出力を正式名称と取り違えないよう、商品情報の管理担当者が採用表記を確定してください。表記を決める担当者と翻訳者の仕事を混ぜないことが要点です。
利用条件を元の制作契約まで戻って確認する
元動画を海外で公開できるか、広告にも使うか、出演者の音声を別の声へ置き換えるかを依頼先へ伝えます。契約で認められた用途や地域を確認し、追加の合意が必要かは関係者へ確認してください。翻訳を発注しただけで、映像・音楽・出演者に関する全ての利用条件が更新されたと扱わないようにします。
AIによる音声生成や声の複製を使いたい場合も、採用するサービス、渡すデータ、出演者との合意の範囲を別に確認します。本記事では、個々の音声利用が適法かを一括で判定しません。制作相談の段階で用途を共有し、権利確認を担う人を決める提案です。契約時の整理には出演者契約と二次利用も参照できます。
AIの翻訳と吹替は公開前の確認工程を残す
自動生成された音声を聞ける担当者を置く
YouTubeのオートダビングは、固有名詞や専門用語の翻訳、発音などに誤りが生じる場合があると公式に案内されています。2026年9月12日時点のオートダビングの説明を確認すると、公開前の手動確認も設定できます。利用可能な言語や機能は、対象チャンネル・動画で確認します。
自動生成を使う場合も、発注書には「誰が最後まで聞くか」を書きます。担当者が理解できない言語なら、意味と発音を確認できる人を別に確保してください。字幕の原稿だけ正しくても、音声が古い訳のまま出ている可能性は残ります。確認用の動画と採用した原稿の版をそろえ、商品名、否定表現、金額、最後の案内を映像と音声の両方で照合します。
誤訳が見つかったら、公開を止めるか音声を差し替える
YouTubeの自動生成された吹替は、その音声を直接編集できません。元の動画の言語設定が誤っていた場合は、正しい言語へ更新すると再生成されると公式に案内されています。誤訳を見つけたら、まず元の言語設定を確認し、修正した吹替が確認できるまで公開を保留するかを決めてください。原稿を翻訳者に直してもらっただけで、公開中の自動音声も更新されたと扱わないようにします。
外注した吹替へ差し替える場合、対象言語にオートダビングが作成済みなら、用意した音声をアップロードする前に既存のオートダビングを削除する必要があります。YouTubeの複数言語音声の説明に沿って、公開設定を操作する担当者を決めます。依頼時には「誤訳の指摘を受ける人」「音声を作り直す人」「公開中の音声を切り替える人」を担当表へ記入してください。
翻訳者と商品担当者の確認を分ける
翻訳者には原文との対応、自然な語順、登場人物の口調を確認してもらいます。商品担当者には、実際のサービス内容と条件を確認してもらいます。片方の確認だけで全項目を承認した扱いにせず、各担当の確認が終わった版を公開用に指定します。制作側には、字幕が切れていないか、セリフに合ったタイミングで出るかも見てもらいます。
「ネイティブチェック済み」という報告を受けたら、何を確認したかを聞いてください。訳文だけを読んだのか、完成映像を音声付きで見たのかで範囲が変わります。ドラマでは、皮肉を本気の賛成として訳していないか、人物の関係が変わっていないかも確認対象です。これは発注側向けの検品提案で、特定の翻訳資格や一律の品質保証を意味しません。
納品形式は公開する媒体で確かめる
YouTubeの字幕と複数言語音声を区別する
YouTubeは字幕ファイルとしてSRTなどを受け付けています。SRTは基本的な形式がサポートされ、文字コードはUTF-8と案内されています。外注先には、対象媒体に合わせた形式で納品してもらい、取り込み後の表示も確認してください。字幕ファイルを受け取ったことと、公開動画に正しく反映したことを分けて記録します。対応する字幕ファイルの公式一覧
また、YouTubeの複数言語音声は、用意した音声トラックを動画やショート動画へ追加する機能です。オートダビングと作業が異なるため、外注した音声を誰が追加するかを決めます。利用条件と音声の要件は複数言語機能の公式説明で確認できます。他のSNSにも同じ形式で入稿できると約束せず、投稿先ごとに確認してください。
公開URLで言語と誘導先を確認する
最終確認は、共有フォルダの完成動画だけで終えず、公開先のURLでも行います。想定する言語を選んだときに、字幕や音声が切り替わるか、タイトルと説明の訳が正しいかを確かめます。購入や問い合わせへのリンクが日本語だけのページへ進むなら、その先でも内容を理解できるかを発注側で確認します。動画だけ翻訳しても案内が完結しない場合があります。
公開後の反応は、対象言語、掲載先、期間、有料配信の有無をそろえて記録します。日本語版と英語版の再生数の差から、翻訳だけの効果を断定しないでください。配信先や公開日も異なる可能性があるためです。相談や予約につながった記録を追い、次の言語や動画へ広げるかを決めます。確認会の進め方は公開後の振り返りにつながります。
よくある質問
Q. 字幕を付けるだけで海外向けに使えますか?
A. 字幕に加えて、画面内文字、商品条件、利用できる地域、誘導先の言語を確認します。字幕だけで目的を満たせる動画かを、元動画を見ながら判断します。
Q. 多言語化を頼むとき、元動画だけ渡せばよいですか?
A. 最終台本、正式名称と訳語の一覧、希望する納品形式、公開先も渡してください。編集用データや声とBGMを分けた素材の有無は、依頼先へ最初に伝えます。
Q. AI吹替なら翻訳確認は省けますか?
A. 公開前の確認担当を残します。自動生成の音声には誤訳や発音の誤りが生じる場合があり、商品条件と登場人物の意図を完成映像で確認する必要があります。
Q. 字幕ファイルと字幕入り動画は両方必要ですか?
A. 公開先と更新予定によります。媒体上で字幕を切り替える用途と、文字を入れた動画をそのまま投稿する用途を分け、必要な形式を見積もり時に指定してください。
Q. 翻訳の修正は何回まで含まれますか?
A. 契約で確認します。訳文の確認、日本語原稿の変更、収録後の音声変更を分け、各工程の確定日と追加対応の条件を記載してもらいます。
ナイトてんしょんへ相談する際は、元動画、届けたい地域と言語、公開先、希望する字幕・音声の範囲を共有してください。ショートドラマ制作について相談するから、対応範囲の確認を始められます。