動画素材を制作会社へ送るときは、元ファイルを手元に残し、受取担当がダウンロードできる場所へ共有します。送信後はファイル名と本数を照合し、編集環境で開けるという返事をもらってから受け渡しを完了にしてください。アップロードが終わった時点と、制作会社が編集を始められる時点には差があります。
撮影した動画が大きくて送れない、共有リンクを渡したのに開けない、差し替え前の素材で編集が進んだ。こうした行き違いを避けるには、転送サービスを選ぶ前に、誰へ何を渡し、どこまで確認してもらうかを揃えます。
この記事は、発注側から外部の編集担当へ素材を渡す段階を扱います。Google ドライブの公式仕様を例に、サービスを変えても確認が必要な項目を整理しました。フォルダ名や依頼文はナイトてんしょんからの運用案です。編集内容と見積もりの決め方は動画編集だけを外注する方法、完成品の受け取りは納品データの確認項目をご覧ください。
送れないときは、止まった段階を受取担当へ伝える
大容量の素材をもう一度すべて送る前に、どこまで終わったかを確認しましょう。以下は当社からの切り分け用の記録案です。エラーの原因をこの表だけで確定するものではありません。
| 止まった段階 | 先に確かめること | 相手へ残す情報 |
|---|---|---|
| アップロードの途中 | 完了したファイルと未完了のファイル | 対象名・画面のエラー文 |
| 共有リンクを開くとき | 指定した業務用アカウントで開いているか | 共有先と利用アカウントの一致 |
| ダウンロードするとき | 原本取得が許可されているか | 取得できないファイル名 |
| 編集ソフトへ取り込むとき | 保存した原本を使っているか | ソフト名・形式・読み込み結果 |
リンクが開かない段階で映像を圧縮しても、共有権限の確認にはなりません。受取側の画面に表示された文言を照合し、管理者や制作担当が必要な対応を決めます。原本を保存した後の再生に問題がある場合は、動画が再生できないときの確認手順で、共有画面と手元のファイルの結果を分けてください。
共有方法は、容量と相手の作業で選ぶ
最初に制作会社へ伝えるのは、素材の合計容量、ファイルの本数、いつまでに編集を始めたいかです。完成動画が短くても、撮影素材は長い場合があります。「30秒の動画を作りたい」だけでは、受け取りに必要な保存容量や準備時間が分かりません。容量を確認できなければ、まず保存フォルダの情報を調べます。
社内で利用できるサービスを先に確かめる
会社が指定する共有サービスと、制作会社が業務用アカウントで受け取れるサービスが一致するかを確認します。個人で使い慣れたサービスでも、会社の規程や取引条件で利用を認めていない場合があります。ログインできない、社外への共有ができないという問題を、撮影素材の送信直前に発見しないための確認です。
Google ドライブの公式ヘルプも、仕事用・学校用のアカウントでは組織外と共有できない場合があると案内しています。制限に当たった場合は管理者と合意済みの別経路を相談します。個人アカウントへ複製して制限を回避する運用は採りません。(出典:Google ドライブのファイルを共有する)
| 渡し方 | 採用前に確認すること | 受け渡し後に残す記録 |
|---|---|---|
| 案件専用の共有フォルダ | 社外共有の可否、保存容量、相手の権限 | 共有相手、対象フォルダ、受領した版 |
| 期限付きのファイル転送 | 期限内に相手が保存できるか、容量制限 | 送信日時、対象一覧、受領の返事 |
| 外付けの記録媒体 | 接続・読み取り環境、発送方法、返却の扱い | 内容一覧、受取日、返却または保管の合意 |
表は方式を選ぶための確認項目です。個々の製品がすべての機能を備えるという意味ではありません。契約プランや社内設定によって使える範囲が違うため、採用するサービスの画面と利用条件を確認してください。
転送期限と編集開始日を同じものにしない
期限付きリンクを使うなら、制作会社が素材を保存する日を先に合意します。「リンクは明日まで有効」と、送った後に伝えても、担当者が不在なら間に合いません。編集担当の予定、休日、社内でのファイル確認を含めて受け取りの時間を確保してください。
大容量の素材は、全件送信の前に代表ファイルで受け渡しを試す方法があります。同じ撮影機材・設定の短い素材を使い、権限、ダウンロード、編集環境での読み込みを確認します。異なる形式が混在する場合は形式ごとに確かめます。1本が開いたという返事だけで、残りのすべてが同じ条件だとは扱わないことが必要です。
編集用の元ファイルと、確認用の軽い動画を分ける
見積もりの相談では、軽い確認用動画だけで内容を把握できる場面があります。実際の編集にどのファイルを使うかは、担当者と別に合意してください。送信容量を減らすために作り直した動画を、元データと区別せずに渡すと、画質や音声について判断する前提が揃いません。
送るための変換を始める前に、元データを確保する
本記事では、撮影機器から取り出したファイルを編集用原本として残し、変換したものには確認用と分かる名前を付ける方法を勧めます。ファイルを軽くする設定は、映像や音声の条件を変える場合があります。変更してよい条件が分からなければ、元ファイルの容量と形式を制作会社へ伝え、必要な受け渡し方法を相談してください。
スマートフォンの録画、別録りの音声、静止画が混ざる案件では、見た目が似たファイル名だけでまとめないようにします。同じ場面の動画と音声がどれか分かる対応表を添え、素材を選び直す必要がある箇所を知らせます。HDRなど色の確認条件が必要な素材は、撮影機器と設定が分かる範囲で制作担当へ伝えてください。
カメラのフォルダ構成を変更してよいか確認する
撮影機器によっては、動画本体のほかに管理用のファイルが作られます。受け渡し側で必要性を判断できない場合、拡張子だけで不要と決めて削除しないでください。制作会社へフォルダ構成を伝え、どこまでをセットで渡すか確認します。
整理する際は、カメラや撮影日ごとに上位フォルダを分ける方法から始めます。たとえば架空の整理例なら「撮影日/カメラA/元のフォルダ」のように、元の内部構成を保持します。同名ファイルがあるときも、すべてを1つのフォルダへ集める前に分けておけば、どのカメラの素材かを追えます。命名変更が必要な場合は、元の名前と変更後の名前を記録します。
当社の素材整理手順では、元のファイル名を保持し、NGテイクや付随ファイルも一覧から落とさず、移動先と判断根拠を記録する方針を採っています。同名ファイルが衝突する場合はカメラ別の子フォルダへ分け、上書きを避けます。この制作現場の整理方針を受け渡しにもつなげるなら、送る側が善意で素材を削ってしまう前に、受け取る側と必要範囲を合意することが先です。
案件専用フォルダに、必要な相手の権限を付ける
過去案件や社内資料が入った上位フォルダを、そのまま共有先にしないでください。今回使う素材をまとめた案件専用の場所を用意し、相手がどこまで見られるか確認します。担当者が増える予定なら、その追加を誰が許可するかも最初の連絡で決めておきます。
閲覧できることと、編集に使えることを確認する
Google ドライブでは閲覧・コメント・編集の権限を分けられ、閲覧者などのダウンロード可否は設定の影響を受けます。動画を見られるだけでは、編集担当が必要な原本を取得できるとは限りません。原本を渡す相手にはダウンロードできるかまで確かめ、確認だけを依頼する社内メンバーとは役割を分けます。(出典:Google ドライブの共有権限)
全員に編集権限を渡すことを既定にすると、名前変更や差し替えを誰が行うかが曖昧になります。発注側で素材を確定する担当、制作側で取り込む担当、内容を見る承認者を分け、必要な操作を決めてください。これは素材ファイルの共有です。SNSのログイン権限については運用代行に渡すアカウント権限で別に整理しています。
リンクの送信先と、実際の共有相手を照合する
宛先にメッセージを送れたことと、ファイルのアクセス先を正しく限定できたことは別々に確認します。会社の共有アドレスで受け取るのか、個人の業務用アカウントで受け取るのかを、送信前に聞いておくと照合できます。担当者の氏名だけでアカウントを推測しないようにしてください。
Google ドライブの「リンクを知っている全員」という共有方式は、特定の相手だけへの共有と範囲が異なります。また、親フォルダのアクセス権が子のファイルに影響するため、対象ファイルの設定だけを見て判断しないようにします。機密性のある素材を渡す場合は、会社の規程に沿って共有範囲を選んでください。(出典:Google ドライブのファイル共有)
受領確認は、一覧・ファイル・編集環境を照合する
Google ドライブでは動画の再生処理に時間がかかる場合があります。ブラウザーで再生できないときも、アップロード状況と再生処理の状態を分けて調べてください。再生エラーの表示だけで「素材が壊れている」と決めて全件を送り直す前に、表示された内容と対象ファイルを共有します。(出典:Google ドライブで動画を保存、再生する)
受け取る側が確認できる一覧を添える
下表は架空の記入例です。総量だけでなく、何が入っているかを照合できる形にします。書くべき本数や容量は実際の素材から確認してください。撮影時のテイク数と、保存されたファイルの数が必ず同じとは限りません。
| 区分 | ファイル名・場所の例 | 受け取る側へ伝える内容 |
|---|---|---|
| 元動画 | 撮影日/カメラA/元の名前 | 対象一覧、容量、使わないテイクの扱い |
| 別録り音声 | 撮影日/音声/元の名前 | 対応する動画、録音開始のずれが分かる情報 |
| ロゴ・静止画 | 支給画像/採用版 | 採用する版、色や余白の指定資料 |
| 参考資料 | 制作指示/確認済み | どの資料を今回の指示として使うか |
受領の返事は「ダウンロードしました」だけで終わらせず、欠けているファイル、開けないファイル、音声が確認できない箇所があるかを聞きます。ただし、全素材の全時間を確認する仕事まで自動的に含まれるわけではありません。素材点検をどこまで依頼し、何をもって編集開始とするかは見積もりで合意してください。
受け渡しの完了と、完成動画の検収を分ける
元動画を開けることは、完成動画の内容が承認されたことを意味しません。受け渡し時は素材の不足と使用条件を確認し、初稿では構成や場面の選び方を確認します。両方を一度の「確認しました」で済ませると、どの段階へ戻る修正なのか分からなくなります。
不足素材がある場合は、残っているもの、到着予定、先行して進めてよい作業を記録してください。商品ロゴが未確定でも構成案は進められる、肝心の会話音声が未着なので該当場面は判断できない、といった違いを個別に話します。進行の決め方は台本チェックと修正依頼の出し方につなげて確認できます。
差し替えたら、旧版の扱いと編集の再開を伝える
共有フォルダへ新しいファイルを置いただけでは、編集担当がすでに保存した旧版まで切り替わりません。差し替えたファイル名、変更した内容、旧版を使わない指示、確認してほしい期限を一緒に連絡します。編集途中なら、その変更による作業範囲と納期を相談してください。
最新版という名前を繰り返し使わない
たとえば「商品説明_最新版」という同じ名前を複数の場所で使うと、どれが採用版か区別できません。「商品説明_v02」のように版を区別し、依頼文にも採用する名前を書きます。この命名は運用案であり、制作会社に決まった規則があるならそちらへ合わせてください。
Google ドライブにはファイルの版を管理する機能がありますが、過去版は条件により削除される可能性があります。公式ヘルプは30日経過または新しい版が100個できた場合を説明し、残す版を固定する操作も案内しています。受け渡し用の履歴だけに長期保管を任せず、必要な原本をどこで保持するか決めます。(出典:操作履歴とファイル バージョンを確認する)
案件終了後の共有停止は、保存の確認後に行う
発注側のフォルダを閉じる日と、制作会社が素材を保管する期間は別の取り決めです。共有停止によって相手の保存済みファイルまで消えるとは考えず、手元のコピーの扱いも契約や業務の合意に沿って確認します。次回の再編集に必要な素材と、作業終了後に削除を求める素材を分けてください。
保管を引き継ぐときは、受け取った対象一覧と保存先を確認してから旧経路を閉じます。会社の個人情報・機密情報の手順がある場合はそれに従います。保存期間の決め方、元データを受け取る範囲は撮影素材の保管と再編集への備えで扱っています。
素材を渡す連絡に添える文面
以下は依頼文のひな形です。実際のファイルや日付へ置き換え、不明な項目を埋めたつもりで送らないようにしてください。
編集用素材を案件専用フォルダへ用意しました。今回の対象は添付の素材一覧に記載したファイルです。共有先はご指定の業務用アカウントに設定しています。原本のダウンロードと、編集環境での読み込みを確認し、不足や開けない素材があればファイル名をお知らせください。
確認用動画は別フォルダに分けています。編集に採用する版は一覧の「採用版」欄をご確認ください。差し替えが生じた場合は、変更対象と旧版の扱いを改めて連絡します。受領確認の希望日は合意済みの日付とし、間に合わない場合は編集開始日を相談させてください。
容量が分からない段階でも、素材の保存場所、撮影機器、編集したい内容が分かれば相談を始められます。ナイトてんしょんへのご相談は動画編集・素材の受け渡しについて問い合わせるから、公開目的と希望する納期を添えてください。
よくある質問
LINEで送った動画を、そのまま編集に使えますか?
実際に受け取るファイルが編集条件を満たすかを制作会社へ確認します。送信方法によって何が変わったか不明な場合は、撮影時の元ファイルも保管しておきます。確認用に届いたものと、編集に採用するものを区別し、相手が保存したファイル名まで揃えてください。
Google ドライブの動画が再生できません。送り直すべきですか?
まず、アップロードが完了しているか、再生処理中と表示されていないか、相手の権限が合っているかを確認します。Googleは再生処理やファイル形式などに関するエラーを案内しています。エラー文と対象ファイルを伝え、受取側が原本を開けるかも照合したうえで、必要な対象だけを送り直します。(出典:動画の再生に関する問題)
ダウンロード禁止のまま制作会社へ渡せますか?
内容を見てもらう用途と、原本を取り込んで編集する用途を分けて相談します。ダウンロードを禁止する必要があるなら、制作会社がどの環境で作業できるか先に確認してください。権限を変えてよい担当者と、会社の規程を確認する順序で進めます。
受領の返事が来たら、元ファイルを削除してよいですか?
受領の返事だけを理由に原本を消す運用は勧めません。必要な素材が揃っているか、どこで保管を引き継ぐか、再編集や不足発見に対応する期間を合意してから判断します。保管の契約や社内の保存ルールがある場合は、その条件を確認してください。
参考リンク
・Google ドライブ:ファイルやフォルダをアップロードする
・Google ドライブ:操作履歴とファイル バージョンを確認する
公式情報の確認日:2026年9月26日。共有方法の例はGoogle ドライブのものです。別サービスには各サービスの仕様が適用されます。