撮影用の商品を制作会社へ送る前に、映す商品と使い方、開封してよい範囲、撮影後の返却方法を決めてください。同じ商品でも、箱をきれいに映す場面と、中身を取り出して使う場面では、必要な現物の状態が違います。商品一覧に品番と用途を書き、制作会社が受け取れる日時と保管条件を確認してから発送します。

「商品は送ったので、あとは撮れるはず」と考えると、未開封の外箱を映したかったのに先に開けてしまう、返却が必要な見本を撮影で使い切る、といった行き違いが起こり得ます。発送前に決めたいのは、各商品で何をしてよいかです。

この記事は、商品を登場させるSNS動画やショートドラマを外注する担当者向けの手順提案です。当社の実案件で起きた事故や、改善効果の実測を示すものではありません。配送サービスの案内は2026年9月17日に確認しました。撮影全体の準備は発注側が用意するもの、台本の承認は撮影前の台本チェックを参照してください。

送る商品は、動画のどの場面に使うかで分ける

まず制作会社と台本や絵コンテを見て、商品を使う場面を拾います。パッケージの正面を見せる、ふたを開ける、飲み物を注ぐ、社員が手に持つ、といった動作を書き出すと、同じ現物を最後まで使えるかを相談できます。商品名だけを渡すと、どの状態を残す必要があるかが伝わりません。

関係を整理 撮る場面から、現物を分ける 撮る場面 残す状態 外観を見せる 箱・本体を保護 開ける・使う 開封可否を指定 元に戻せない 予備か別案を相談
必要な数は、台本と在庫から決める

外観を映す商品と、使用する商品を区別する

架空の撮影例として、瓶入り飲料の紹介動画を考えます。未開封の瓶を机に置く場面、ふたを開ける場面、グラスへ注ぐ場面を撮るなら、開封前の姿が必要な撮影を先に済ませる案があります。ただし、撮影の順番は出演者や場所の都合でも変わるため、未開封用と使用用の現物を分けるべきかを制作会社と確認します。

送付リストには「外観撮影用・開封不可」「使用場面用・開封可」のように役割を書きます。商品本体に直接シールを貼ると撮影面を傷める可能性があるため、識別方法も相談してください。袋や仕切りに目印を付け、撮影面はそのまま保つ方法が候補になります。試供品と販売品で容器が異なるなら、その違いを伝えます。画面に見せたい商品と、発送しやすい商品が一致しているかを出荷前に確かめるのが要点です。

予備の数は、やり直せない動作から決める

必要数を「動画1本につき商品1個」と固定すると、開封や消費を伴う場面に対応できないことがあります。一度破る包み、切り分ける食品、貼り付けるシールなどは、同じ状態に戻せるかを先に確認します。逆に、何度でも同じ動きを再現できる小物まで、一律に大量の予備を送る必要はありません。

発注側は在庫と追加発送の可否を伝え、制作側に撮影で使う数と予備の提案を求めます。「予備を含めて何個ほしいか」「予備がない場合にどの場面を変えるか」をセットで聞けば、在庫に合わせて構成を調整できます。限定品や試作品で代わりがない場合は、使用可能な現物を先に確保してから台本を決める方が進めやすくなります。ここで示す考え方は準備の提案であり、必要数を保証する計算式ではありません。

商品一覧には、品番と扱い方を一緒に書く

見た目が似た商品を取り違えないよう、商品名、品番、色、数量に加え、撮影で使う役割を一つの一覧にします。社内の商品管理表をそのまま送ると、原価など撮影に不要な情報まで渡してしまうため、撮影担当者が必要な項目に絞った送付リストを作ってください。

以下は記入項目の例です。数量や期限は案件ごとに埋めます。空欄のまま発送する項目があれば、その場で決める担当者と連絡方法を共有します。

項目書く内容決まっていないと困ること
商品の識別商品名、品番、色、外観写真類似品を映してしまう
同梱数本体、付属品、予備の内訳足りない物に気づけない
撮影用途外観、開封、使用、背景小物必要な状態を残せない
開封・加工開ける、切る、貼るなどの可否元に戻せない処理をする
取り扱い保管条件、扱ってはいけない面現物の状態が変わる
撮影後返却、保管継続、処分の希望勝手に処分する恐れがある
返却期限発送期限か到着期限かも記載次の使用予定に間に合わない
連絡先撮影中に判断できる窓口確認待ちで撮影が止まる

商品写真と、映してよい面を添える

商品写真は、品番の照合と撮影する向きの共有に使います。正面のデザインが似ている商品では、裏面の識別情報も必要です。一方で、未発売の価格表示や試作品の管理番号など、動画に映したくない情報があれば、該当箇所を示した別画像を付けます。「裏面は映さない」とだけ伝えると、手に持ったときに見える側面まで判断できないためです。

隠したい箇所がある場合は、撮影角度を変えるのか、現物を加工してよいのか、編集で処理するのかを決めます。発注側の判断なしでラベルを剥がす進め方は避けてください。ラベルを外せない事情と、映してはいけない情報を同時に伝えれば、制作側は画角や手の動きを提案できます。商品写真を参考にする場合でも、撮影時に届いた現物が同じ仕様かを受領時に確認します。

送り状と撮影指示書を混同しない

配送の送り状には、運送会社が求める品名や宛先などを正しく記載します。その情報だけでは「この瓶を開封してよいか」「外箱も返してほしいか」は分かりません。撮影用の送付リストは、配送とは別に制作会社へ共有し、箱の中にも照合できるものを入れるか相談します。

連絡先も用途を分けます。倉庫で出荷する担当者、到着時に受け取る担当者、撮影中に商品表現を判断する担当者が同じとは限りません。外部に共有するのは、その作業に必要な窓口だけで十分です。担当者が休みの日に荷物が着く予定なら、代理の受領者を決めてから発送します。追跡番号を伝える際には、何箱のうちの何箱目かも分かるようにしておくと、別便で届く予備との照合に使えます。

発送前に、受け取り日時と保管場所を確かめる

制作会社の所在地と、実際に撮影するスタジオの住所が同じとは限りません。スタジオへ直接送る場合は、予約した時間外に受け取りができるか、荷物を置いてよい期間はいつまでかを確認します。納品先の住所が分かっていても、無人の時間へ送らないようにしてください。

流れをつかむ 受け取りと保管を決めてから送る 1 受け入れ確認 日時・場所・保管条件 2 発送 一覧と現物を照合 3 受領確認 数量・状態を連絡
配達完了だけでは、撮影準備は未確認

梱包は、商品と撮影する外箱を守る

ヤマト運輸の荷物の梱包方法の基本では、輸送に適した資材と緩衝材を使い、箱の中で荷物が動かないようにする方法が案内されています。瓶類では栓を閉め、液漏れの心配があるものを袋に入れて緩衝材で包む説明があります。商品の性質に合う方法を配送会社へ確認してください。

撮影用では、商品の化粧箱も映像に使うことがあります。商品箱へ送り状や粘着テープを直接貼る前に、その箱を映す予定があるか確認しましょう。梱包の外箱と撮影用の化粧箱を分ければ、受領側にも「どの箱を捨ててよいか」を伝える必要があります。返送時に同じ梱包を使いたい場合は、残してほしい資材を指示書に書きます。梱包の状態を写真で残すと、元の入れ方を制作側へ伝える資料にもなります。

温度管理が必要な商品は、到着後まで相談する

冷蔵・冷凍の商品では、配送中とスタジオ到着後の保管を続けて確認します。ヤマト運輸のクール宅急便は保冷輸送のサービスで、荷物を冷却・凍結させる機能はなく、発送前の予冷が必要と案内されています。使う配送サービスの温度帯と、商品の保管条件が合うかを確認してください。

到着後は誰が受け取り、どこへ保管するかを決めます。制作会社に冷蔵庫があるという回答だけで終わらず、送る量が収まるか、撮影日まで保管できるかも相談します。期限表示やメーカーの取り扱い指示は発注側から共有し、撮影に使った後の食品を食べられると決めつけないでください。商品の安全性について判断が必要な場合は、商品管理担当者の指示を確認します。保管条件を満たせないときは発送日や撮影場所を見直します。

日本郵便はレターパックで送れないものの案内で、ガラスや陶磁器、精密機械、なまもの、代替品の入手が困難な芸術作品などの送付を控えるよう求めています。サイズに収まるという理由だけで配送方法を決めず、中身に対応したサービスを選びます。

到着時は、撮影できる状態かを確認してもらう

荷物の追跡が「配達完了」になっていても、品番や付属品の確認までは分かりません。受領担当者に一覧との照合を依頼し、数量、目立つ傷、同梱品の不足、保管先を確認してもらいます。未開封で残す商品の検品方法は、発送前に相談してください。

不足や傷が見つかったら、使う前に連絡をもらう

たとえば外箱にへこみがある場合、画面に映る面の傷かどうかで撮影への影響が変わります。制作側には状態が分かる写真を送り、商品管理担当者と撮影担当者が、交換するか、別の面を映すか、撮影を保留するかを相談します。「小さな傷だから問題ない」という判断を、商品を預かった側だけで済ませないための手順です。

輸送時か発送前か、どこで傷がついたか分からない段階で、原因や費用の負担を断定しないでください。梱包材や箱を残し、発送前と受領時の写真、運送会社の案内、依頼時に合意した条件を確認します。ここでは責任の法的な判断は扱いません。修理や追加発送を頼む場合も、費用と撮影日への影響を確認してから手配します。延期が必要になった場合は撮影の延期と中止の決め方で、関係者への連絡順を整理できます。

撮影当日に使い方が変わったら、承認を取り直す

商品の中身を別の容器へ移す、包装を切る、水にぬらすなど、打ち合わせになかった使い方が必要になる場合があります。撮影を進める前に、誰が承認するかを決めておきます。発注側の窓口が判断できない場合は商品担当者へ確認し、返答が来るまでは元に戻せない作業を待ちます。

承認を記録するときは、何をしてよいかに加え、対象の商品を特定してください。使用用の予備だけに許可した加工が、返却用の見本へ広がらないようにするためです。本記事で当社が提案する判断の順序は、商品の識別、変更する動作の確認、承認者への照会です。対応できない動作なら、商品を加工せず撮れる別案を制作側に求めます。

返却は、データ納品と分けて期限を決める

動画の初稿を確認している間も、商品を別の撮影や展示で使う予定があるかもしれません。返却期限を「動画が完成したら」とだけ書くと、その予定に合わせにくくなります。返してほしい到着日、返送先、返送料の扱い、返送する担当者を決めておきます。

関係を整理 撮影後の行き先を商品ごとに決める 撮影後の用途 決めること 次の予定で使う 返却の到着期限 追加撮影に備える 保管期限と条件 使い切る・処分 対象と了承を記録
動画データの納品・保管とは別に確認

すぐ返す物と、確認が終わるまで残す物を分ける

未使用の予備、実際に使った商品、外箱、付属品を照合し、それぞれ返却か保管かを決めます。完成前に商品を返すと、追加で撮影する場合に再発送が必要になるため、初稿確認まで置いておく商品があるかを相談してください。一方で、必要以上に長い保管を求める場合は、置き場所と費用の条件も確認します。

保管期限を延ばす際は、延長後の期限と、期限までに発注側から返答がない場合の連絡方法を残します。「不要なら処分してください」と広く任せるより、処分してよい商品と梱包材を指定する方が判断しやすくなります。商品本体の返却と、撮影データの保管は別の依頼です。データを後日再編集したい場合の条件は撮影素材の保管期間で確認できます。

返送前と返送後に、同じ一覧で照合する

返送担当者には、送る品番と数量、付属品、外観の状態を一覧へ記録してもらいます。開封済み、使用済み、撮影で加工した物があれば分かるようにします。返送後に発注側が受け取ったときも、最初に送った数量だけと比較せず、撮影で消費することを了承した分を含めて照合します。

その際、返送料、保管料、追加梱包、再発送などの費用を誰が負担するかは、見積もりや合意内容で確認してください。本記事では共通の料金を示しません。依頼先ごとの条件を確認するための項目です。返却確認をもって現物の管理を閉じ、動画の納品確認は納品データの検収に沿って別に進めると、商品が戻っていないのに案件全体を完了とする行き違いを避けやすくなります。

商品を送る前によくある質問

Q1. 商品は何個送ればよいですか?

商品を開封・消費・加工する場面と、撮り直す際に元の状態へ戻せるかを制作会社に確認して決めます。品番ごとに撮影用と予備の数を提案してもらい、在庫が足りない場合は構成の変更を相談してください。

Q2. 商品だけ送って、指示書は後でもよいですか?

受領や保管の判断に必要な情報は発送前に共有します。少なくとも品番、数量、開封可否、保管条件、返却予定が決まっている状態にし、撮影の詳細が未確定なら、現物へ手を加えず保管してもらう範囲を合意します。

Q3. 食品は撮影が終わったら返してもらえますか?

返送を受け付けるか、撮影で消費するか、処分するかを依頼先と確認します。返送できることと、返送後に食べられることは別の判断です。取り扱いと安全性は商品の管理担当者へ確認してください。

Q4. 送料や返送料は撮影費に含まれますか?

依頼先の見積もりによります。往路と復路の送料、梱包資材、保管、追加発送を分けて、含む費用と別途かかる費用を確認します。発送方法を決める前に精算方法まで合わせておきます。

Q5. 一点しかない試作品でも撮影できますか?

受け入れ可能かを、制作会社と配送会社へ先に確認してください。開封や加工ができない条件なら、それを守れる撮影案を相談します。持ち込みや社内での撮影に変更する場合は、撮影場所の選び方も参考になります。

商品の使い方から撮影の依頼範囲を相談する

ナイトてんしょんへ商品を登場させる動画制作を相談する際は、現物の写真、動画に入れたい動作、送れる数、返却が必要な日をお知らせください。まずショートドラマ制作のサービス制作実績を確認し、お問い合わせから撮影したい内容をご相談いただけます。商品の受け取りや保管に対応できるかは、依頼内容を確認したうえでご案内します。

発送を手配する前に、「その商品で何を撮りたいか」と「してはいけないこと」を一緒に伝えるところから始めてください。